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日銀が量的緩和を拡大した。当座預金残高目標を10-15兆円、国債買い入れを月6000億円から8000億円に増額を決めた。また、コマーシャルペーパー(CP)のでの現先の拡大。住宅ローン債権、不動産を裏付けとする資産担保証券(ABS)を日銀による資金供給の際の担保に加えるかを検討することとした。株価下落や長期金利上昇、金融不安の再燃に対して日銀としては最大限の努力と配慮をしたのだろう。
ただ、株式市場にとってこの対応は下支え効果はあれど、上に持っていくだけの効果は期待し難いだろう。具体的には、超低位株の買い戻しの材料とはなり得ようが相場全体を買い上げる材料とはならないと考える。今、市場に必要なのは金融ではなく最終的に財政が出動することが具体性を帯びてくる対応と考えるからだ。外科的な手術。最近は青木建設が摘出されたが、その後、その具体化は止まったままだ。日銀がいくら潤沢に血(マネー)を準備しても、癌(不良債権)が摘出されなければ患者(日本経済)の健康は取り戻すことはない。
サンタ(日銀)はサンタなりに奮発してプレゼント(量的緩和の拡大)を用意した。子供(株価の低い株)は若干喜ぶ(買戻しで上がる)かもしれない。ただし、その子供達の指数寄与度は当然のことながら低い。また、残念ながら、その子供達の売上、利益成長は当面期待し難い状況でもある。注目は今回の決定と昨今の為替市場での円安を受けた大人(高株価の輸出関連銘柄)の動きだろう。これが本日以降どのように動くか、これが重要だ。ハイテク株が伸び悩むようなら、下への動きには十分な警戒を持っておく必要性が高まると考える。
とは言え、クリスマス休暇、年末を控え市場参加者は徐々に減少することで株式市場の流動性は著しく低下する。このため、下に行くにしても上に行くにしてもエネルーギーは乏しい。信託銀行経由の年金買いが下値を支え、上値は持ち合い解消売りが抑える需給的な構図に変化は出ない。日銀の今回の決定で何かが大きく変わるわけではない。円安をメリットに出来る借金のない企業を買って、過大な債務に喘ぐ経営不振企業やそのような企業にカネを貸し込んでいるところを売っておく戦略がまだまだ有効だろう。