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【ワシントン逸見義行】
国際通貨基金(IMF)は18日、01年と02年の世界経済見通しの改定値を発表した。日本の実質国内総生産(GDP)の成長率は、01年マイナス0・4%。02年同1・0%と戦後初めて2年連続でマイナス成長になるとの見通しを示した。同時多発テロで米経済の先行き不透明感が増大すれば、3年連続マイナス成長もありうると分析しており、テロの影響を軽微とする楽観論をけん制した。
日本の成長率は、11月公表の暫定改定値に比べ、01年0・5ポイント、02年0・3ポイント上方修正された。これは、第2四半期(4〜6月)の成長率が当初想定を上回ったためで、テロの影響が減少したわけではなく、先進7カ国(G7)で唯一のマイナス成長国であることに変化はない。
最悪のシナリオの場合、米国は02年マイナス0・9%、03年同0・2%に落ち込み、世界経済も02年から2年連続マイナス成長に転落、世界同時不況が深刻化する。日本は、今年に続き、02年マイナス1・4%、03年同0・7と3年連続マイナス成長になると予測。日本のデフレ不況脱却には(1)金融機関への公的資金再注入による不良債権の処理(2)日銀が一定期間内にデフレを克服すると宣言し、金融の一層の量的緩和実施ーーが不可欠と提言している。
テロによる米経済に対する直接的な被害については、ビルや装備などの物的被害162億ドル、死傷者への生命保険金の支払いや従業員への損害賠償など人的被害52億ドルの計214億ドル(約2兆7000億円)との試算した。これは米GDPの0・25%程度だが、将来の企業や消費者の景気に対する信頼感を傷つける度合いは大きく「経済の不確実性を増大させる潜在的要因」と分析した。
米経済の低迷は、マレーシアの01年の成長率が0・3%と前年より8ポイントも急落するように、新興市場国の経済にも大きな打撃を与える。
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<IMFの世界経済見通し>
(単位・%、▼はマイナス)
国・地域 実質成長率
00年 01年 02年
日本 2・2 ▼0・4 ▼1・0
米国 4・1 1・0 0・7
ドイツ 3・0 0・5 0・7
英国 2・9 2・3 1・8
G7平均 3・5 1・0 0・6
EU平均 3・4 1・7 1・3
韓国 8・8 2・6 3・2
台湾 6・0 ▼2・2 0・7
中国 8・0 7・3 6・8
インドネシア
4・8 3・2 3・5
マレーシア
8・3 0・3 2・5
タイ 4・4 1・5 2・0
アルゼンチン
▼0・5 ▼2・7 ▼1・1
トルコ 7・2 ▼6・1 4・1
ロシア 8・3 5・8 3・6
世界平均 4・7 2・4 2・4
注、00年は実績、01年と02年は見通し
[毎日新聞12月18日] ( 2001-12-18-23:35 )