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16日の東京株式市場で、東証一部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)が、平成10年10月に付けたバブル崩壊後の終値ベースの最安値(980.11)を割り込んだことに市場関係者は大きなショックを受けている。平成10年以降の度重なる経済危機や昨年9月の米中枢同時テロ事件にも安値更新を踏みとどまり、“最後の砦”となってきたためだ。支えを失った株価の底が抜け、下落に歯止めがかからなくなるとの懸念が高まっている。
前日に最安値まで0.21ポイントまで迫っていたTOPIXは、6日連続で下落し一時前日終値比3.16ポイント安の977.16を付け、3年3カ月ぶりに最安値を割り込んだ。一方、平均株価も6日続落し同112円48銭安の1万96円34銭と1万円の大台割れ直前まで迫ったが、テロ直後に付けた昨年9月17日のバブル崩壊後最安値(9504円41銭)までは若干の余裕がある。
TOPIXの最安値更新の持つ意味は重大だ。長銀と日債銀が相次いで破たんした平成10年秋の金融危機で、TOPIXと平均株価はそろってバブル崩壊後の最安値を更新している。だが、平均株価は昨年の段階で、次々に最安値を更新、テロ事件でどん底まで落ち込んだ。これに対し、TOPIXは土俵際の踏ん張りを見せていたのだ。
平均株価は東証一部を代表する225銘柄で構成されているが、構成銘柄にハイテク株が多く、一昨年から昨年にかけてのITバブル崩壊の直撃を受け大きく値を崩したわけだ。
さらにITバブル絶頂期の平成12年4月に大幅な銘柄入れ替えが実施され、それまでよりもハイテク株の比重が高まったことが、平均株価の下げをより大きくしたとの要因もある。
このため、「平均株価は指数としての継続性を失っており、銘柄入れ替え以前と後を比べても意味がない」と指摘されている。政府関係者も「継続性を失った平均株価が最安値を更新しても、まだTOIXは更新していない」などと、株価低迷や景気後退の言い訳材料に使ってきたのだ。
TOPIX最安値の最大の要因は、「不良債権の最終処理に伴い上場企業の倒産が相次ぐと同時に、銀行の経営破たんの恐れもあるという信用リスク不安」(証券アナリスト)だ。この結果、株価100円割れ銘柄が200近くに達するなど危ない企業の株価が大きく下落。銀行株も下げ止まらず、ハイテク株中心の平均株価よりも、全銘柄の値動きを示すTOPIXの下げの方がきつくなっているのだ。
株式市場は「平成10年秋を上回る金融危機をすでに織り込み始めている」(大手証券ディーラー)といえそうだ。