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「野村証券系の投信会社、“野村アセットマネジメント”から、『今後一切、ウチの投信はオタクでは扱わせない−』と絶縁宣言をされてしまいました−」
松井証券の寺田正二取締役総務部長がこう言ってみせる。
ネット専業証券の雄、松井証券と野村証券グループは、ここへ来てまさに“全面戦争”に突入している。
その伏線となったのは、昨年11月末に松井証券が保有する、野村アセット社の設定するMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の解約に動いたことだ。
「当社では、顧客からの預かり資産の一部をMMFの形で運用していました。言うまでもなく、そうしたMMFは“分別管理の徹底”ということでそっくりそのまま信託銀行に預けていたのですが…」(前述の寺田取締役)
松井証券が運用していたのは、野村アセット社が設定するMMFで、運用総額は約150億円ほどだった。
松井証券がそのMMFの解約に動いたのは、昨年の11月29日のことだった。
この、“11月29日”というのは、経営破綻に追い込まれた米国の大手エネルギー会社、エンロン社の発行するボンド(債券)を組み込んでいたMMF−4社5本−が初めて額面割れを起こした日にあたる。
もっとも、野村アセット社の設定するMMFは、エンロン社が破綻した時点ではエンロン債を組み入れておらず、従って額面割れも起こしていない。
「かといって、顧客の預かり資産を額面割れのリスクを抱えた金融商品で運用しておくことは問題がある、と判断した結果、解約することにしたのです。仮に万が一、額面割れという事態にでもなったら、その損失は松井証券が被ることになります。そうしたリスクは回避しなくてはなりませんし、社内規定でもその様に規定されているのです−」(寺田取締役)
松井証券サイドの説明を聞く限り、そうした“判断”は至極もっともだといえよう。
ところが野村アセット社サイドは、松井証券の解約要請に難色を示したというのだ。
「野村アセット社の担当者は、『一週間後の解約にしてくれないだろうか』、あるいは『解約にあたっては一括ではなく分割にしてくれないだろうか』と口頭で言ってきたのです。しかし口頭での約束−単なる口約束ではそれを履行してくれるかどうかこちらも不安ですから、『それを文書にしてくれないか』と要請してみたのですが、それについては拒否されたのです。そこで当社としてもやむなく解約に動いたのです。文書にしてくれたなら、先方の要求を飲んでいたでしょうね−」(前述の寺田取締役)
そもそもMMFとは、“出し入れ自由”という流動性の高さをウリにしている金融商品だ。話を聞く限り、松井証券サイドに何の落ち度もない。野村アセット社の行為は、MMFの商品性を全否定するものに他ならない。
ところがこの一件が引き金となって、松井証券は野村アセット社から“永久絶縁宣言”を受けることになるのだ。
野村証券関係者が言う。
「野村アセット社がそうした判断を下した背景には、親会社−つまり野村証券サイドの意向が強く働いたと見て間違いないだろう」
いくらニューヨーク市場に上場を果たしたとはいえ、いまだに“株屋体質”の抜けきれない野村証券−引いてはドクター・氏家には猛省を促したい。