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「まさに伏魔殿としか言いようのない信用組合だった。“闇勢力”に散々食い散らかされた後の破綻劇だった−」
金融庁幹部がこう言ってみせる。
去る1月12日、金融庁は東京・江東区に本店を置く業界大手信用組合、永代信組が債務超過状態に陥っていると判断し、預金保険法に基づく行政権限によって経営破綻を認定した。
ここで言う“行政権限による経営破綻の認定”は、金融庁が強制的に金融機関を破綻処理することを意味する。そもそも、永代信組は、自らが経営破綻状態に陥っていることについてはこれを認めていない。
12日夕刻、記者会見に応じた山屋幸雄組合長はこう発言している。
「(金融庁の)職権による強制破綻は、とうてい受け入れられない−」
金融庁が永代信組の破綻処理に踏み切った根拠は、同信組の自己資本比率が平成13年6月末の段階でマイナス5.03%に達していたことにある。
ところが永代信組サイドの査定では、同信組の自己資本比率は0.29%(平成13年6月末)となっており、かろうじて債務超過状態を回避している、としている。
「仮に百歩譲って永代信組サイドの自己査定を認めたとしても、それで永代信組サイドの経営内容が健全だったということにはならないでしょう。永代信組は最低でも4%以上の自己資本比率をキープすることが義務づけられていますから、“極端な過小資本状態”に陥っている、といえるのです」(金融庁幹部)
そしてこう続ける。
「むしろわれわれが問題視したのは、山屋組合長自身がタッチするかたちで特定のゴルフ場開発業者に対して巨額の違法融資が行われていた、という一件です。この融資の一件は、将来的に刑事事件化することは必至でしょう。しかも山屋組合長は、この不正融資の一件に絡んで、それをかぎつけた“闇勢力”から恐喝されたフシがあるのです。こうした状況に置かれた金融機関をペイオフ解禁後も存続させておくことは、あまりにもリスクが高い−」(金融庁関係者)
いずれにしても、職権による破綻処理は平成10年に金融庁の前身である金融監督庁の発足以降、日本債券信用銀行(平成10年12月)、信用組合関西興銀(平成12年12月)に次いで3例目となる。
山屋組合長は金融庁の判断を不服とし、行政訴訟も辞さない方向で処分取り下げを求めていく、としている。
「山屋組合長としてもそれは必死でしょう。水面下では暴力団関係者を巻き込んでの恐喝事件が発生しているのですから−」(金融庁関係者) 警視庁関係者が言う。
「実は、永代信組を舞台とした一連の疑惑には、有力警視庁OB、それに加えてマスコミ関係者も連なっているのです。永代信組の経営破綻が引き金を引くかたちで疑惑が表面化した際には、一大スキャンダルに発展することは間違いないでしょう」
永代信組の今後の動向には、ともかく要注意だ。
2002/1/15