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平沼経済産業相は、経営再建中のダイエーに関して、「産業再生法も視野に入れながら、クライシス(危機)が来ないように政府としても責任を持っていく」などと述べて、必要があれば産業再生法の適用による税負担の軽減などの支援を行う考えを示した。一方、経営不振の殖産住宅は、13日に民事再生法の適用を申請した。また、金融庁は11日に都内信組第2位の永代信用組合に対して債務超過状態で預金の払い戻しができなくなる恐れがあるとして破たん認定する方針を通知している。3月末決算、4月のペイオフ解禁を控え、わが国経済環境は慌しく動いているようだ。
ところで、米労働省が11日に発表した12月の卸売物価指数は、前月比0.7%の下落となった。この結果、2001年の卸売物価指数は前年比1.8%の下落となり、1986年の2.3%の下落以来、15年ぶりの大幅低下となった。卸売物価の下落は3か月連続であり米同時多発テロ以降米経済にもデフレ圧力が強まっていることを示している。また、グリーンスパンFRB議長は11日の講演で、米経済見通しについて「短期的には重大なリスクに直面し続けている」と述べ、今月末開催のFOMC(連邦公開市場委員会)で追加利下げに踏み切る可能性を示唆した。早期景気回復期待で上昇していた米国株式市場はこの発言に水を差される格好となり弱含む展開となっている。
東京株式市場は、持ち合い解消売り懸念が燻り、市場参加者に厚みが見られず市場エネルギーの乏しさが際立つ状況が続く。国内、国外共に好材料に乏しいことで、ホットマネーは、直近IPO銘柄中心に新興市場への流入を続けることになりそうだ。マクロ環境がデフレで縮小均衡する中で、増収増益を達成し高シェアを誇り、株式分割等株主還元も期待できる企業への人気は当面継続しようが、短期的な過熱感を伴っていることも事実だろう。投資家は冷静に銘柄選別や投資タイミングを図ることが重要と考えておきたい。
東証一部市場の底入れは、「破綻」の出尽くしまで待たねばなるまい。それまでは、急騰もせず急落もせず、蛇の生殺しのような相場が続くことになりそうだ。この背景は、我々が小学校の時、道徳の時間で習った、「借りたカネは返す」、「失敗したらきちっと責任を取る」という極めて基本的なことが反故にされ続けていることにあるのだろう。モラルハザード相場にピリオドが打たれるまでは、スッキリとした明るいムードにはなり得ないだろう。