日銀の中原伸之審議委員は11日、東京都内で「デフレ下の日本経済と金融政策」をテーマに講演し、日本経済の現状について「デフレスパイラルの初期の段階にあると考えている」と述べ、物価下落が景気後退の連鎖的な悪循環につながる「デフレスパイラル」への転落がすでに始まっているとの認識を示した。
現行の量的緩和策については速水優総裁ら日銀幹部が銀行から一般の企業などに資金が回っていかないことから、現行の枠組みが限界に達しているとの見方を示している。これに対し、中原審議委員は「デフレ経済下では実体経済面への期待を動かす踏み込んだ緩和が必要」と反論するとともに、「従来使われなかった非伝統的な政策を検討してでもマネタリーベースの伸び率を年率で15%とし、少なくとも2年間続けていく必要がある」と訴えた。
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