投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 12 日 22:33:38:
【ロンドン12日=斎藤孝光】石油輸出国機構(OPEC)は14日、ウィーンで臨時総会を開く。米同時テロ以降、原油価格が急落していることから、現行の生産枠(イラクを除く加盟10か国で日量2320万バレル)を、日量100万―150万バレル削減する方向で調整が進む見通しだ。減産は今年に入って4度目となる。
また、OPECは並行して、ロシアなどの非OPEC諸国にも同50万バレル程度の減産を求めており、非OPECとの協調減産が打ち出されるかも注目される。
世界経済の急減速で原油需要が大きく減るとの見通しから、OPECが増減産の指標にしている原油価格(バスケット価格)は9日現在、1バレル=19・53ドルと、昨年の同じ時期に比べて約40%も値下がりしている。このため、原油収入に国家財政を依存している加盟国では危機感を募らせており、アリ・ロドリゲスOPEC事務局長や最大の産油国であるサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が同100万―150万バレルの減産を検討していることを明言している。
また、OPEC内には、非OPECの増産がOPECの減産効果を薄めているとの不満が強く、OPEC主要加盟国のベネズエラのチャベス大統領がロシアのプーチン大統領に減産への共同歩調を要請するなど、非OPEC諸国への働きかけも強めている。ただ、現状ではノルウェー、メキシコ、ロシアなどの主要非OPEC諸国は減産には積極姿勢を示していない。
一方、OPEC自体も、加盟国の協定違反により、生産枠を上回る生産を続けており、OPEC単独での減産の場合の原油価格への影響は限定的と見られる。