投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 06 日 22:31:42:
【シリコンバレー5日=谷口正晃】
経営破綻(はたん)した総合エネルギー会社エンロンが五日までにカリフォルニア州に対し、八百−千二百メガワットの電力が供給できない可能性があると伝えたことで、同州に再び停電に悩まされる可能性が浮上している。同州では発電設備の増強と景気後退で電力供給には一息ついていたが、ここに来て寒波と嵐などで電力供給量が一時的に落ちているためだ。電力不足に直面した場合はエンロン以外の電力会社からスポット購入する計画だが、州の財政事情も悪化しており、州当局はエンロン破綻の思わぬ余波に直面している。
エンロンによるカリフォルニア州への電力供給量は、八十万−百二十万世帯分に当たる八百−千二百メガワット程度で、主にカリフォルニア大学など二十六校の大学が契約しているが、経営破綻でこれらが失われる可能性が出ている。
昨年冬に表面化した電力危機をきっかけにして同州は、発電設備の新設・増強、数十億ドル規模の電力供給契約を結び、電力供給能力は15%向上した。また、景気後退も加わって電力需要は10%以上低下しており、供給能力には余裕があった。電力需給差が7%未満となった場合に出される警告も今年八月を最後に出されていない。
しかし、例年よりも早く訪れた寒波に加え、十一月下旬に二度にわたる嵐がカリフォルニア州北部を襲い、州内の発電・送電設備が大きな被害を受けた。
このため、十二月五日時点で一万二千七百八メガワット分の発電設備が休止しており、電力供給能力は三万九千メガワットにまで低下。この日の最大電力需要は三万三千メガワットとなっておりエンロンの供給停止の影響は少なくない。
州当局は「深刻な事態ではあるが、供給に問題はない」との見方を示しているが、再び荒天で発電設備が不調となれば一年前の停電の悪夢がよみがえる可能性もある。