投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 06 日 17:21:10:
あの不人気宰相・森喜朗前首相が、なんと小泉純一郎首相の後見人として完全復活しつつある。「一寸先は闇」といわれる永田町だが、小泉政権の権力構造が変質してきたようだ。
「完全に『オレが日本政府の代表だ』という態度だった。韓国の最高級車で会場に乗り付けると、日韓のSP多数を従えて世界各国のVIP相手に満面の笑みで談笑していた。8カ月前のミジメな退陣劇をまったく感じさせなかった」
これは、韓国・釜山で1日に行われたサッカーW杯1次リーグの組み合わせ抽選会に巨体を揺らして突然現れた森前首相について、スポーツ記者が感想を述べたもの。この様子はスポーツニュースの一コマとして世界配信された。
小渕恵三元首相の緊急入院を受け、昨年4月に後継首相となった森氏。就任直後から「5人組の密室指名」と批判されたうえ、不況に苦しむ国民を尻目に連日のように高級料亭通いを続けたため人気は長期低迷。今年2月の実習船沈没事故後の対応やゴルフ会員権の無償譲渡問題などが致命傷となり、「支持率1ケタ」という歴史的不名誉を背負って4月末に退陣した。
その後、支持率8割以上という異常な小泉人気の陰に隠れて「過去の人」になりつつあった森氏だが、虎視眈々と狙っていた復活の機会が訪れたのだ。
例えば、先月末にまとまった道路公団改革。長期的ビジョンも戦略もなく「廃止・民営化」を叫び続ける小泉首相と、政治力維持のためにも道路整備計画を守りたい自民党道路族の調整に、森氏は子飼いの中川秀直前官房長官らを使って積極的に関与。「民営化方針」「国費投入ゼロ」という「名」は首相に持たせ、高速道路予定路線の建設という「実」を道路族に与えるという、旧来の自民党型政治手法でまとめあげたのだ。
「20日夜、東京・紀尾井町の赤坂プリンスホテルで小泉首相と森氏、橋本派を仕切る青木幹雄参院幹事長の三者会談が行われた。別室には野中広務元幹事長と古賀誠前幹事長が控えており、ここで道路公団改革の落とし所が最終決定したという。これは、国民の支持を背景にして改革実現を目指してきた首相が、ついに抵抗勢力との裏取引に応じた象徴的シーン。今後、小泉政権の権力構造が変化していくのは間違いない」(政界事情通)
窮地にあった小泉首相を自慢の調整力で救ったことで、青木氏とともに「首相の後見人」の地位を確保したといえる森氏。W杯抽選会で見せた余裕タップリの態度もよく分かるというもの。実際、4日夜には東京・銀座の日本料理店で、再び首相と森氏、青木氏の三者会談を開いて内閣改造問題や党運営などについて意見交換を行うなど、着々と小泉首相の後見人としての地位を高めつつあるのだ。
ただ、小泉首相の高支持は森前首相の超不人気ぶりの反動から来ている部分もあるだけに、自民党内からは“新3人組”の誕生を危ぶむ声も出はじめている。
ZAKZAK 2001/12/06