投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 04 日 20:42:54:
米国の格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが日本国債の格付けを上から4番目の「Aa3」に格下げしたが、リスクが高まったことを突きつけられた国債は逆に買われる(利回りは低下)動きとなった。金融機関は今後も国債購入に旺盛な意欲を示しており、「金利急騰(価格急落)リスクは少ない」との見方が強い。米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も先月28日に、日本国債を上から3番目に格下げしている。
国債の利回りは、前日比0・010%低下し、年1・385%となり、格下げを無視する形となったが、金融筋からも「米国の1会社の判断に過ぎない」との見方が出ている。
市場が強気な背景にはいくつかの要因がある。まず、ムーディーズは今後の見通しについて「ネガティブ(弱含み)」としたものの、「1年〜2年かけて決める」(ムーディーズ)ことから、今後の判断に時間的に余裕がある。
また、国債の95%は国内勢が購入しており、海外勢はウエイトを下げている。金融機関は超金融緩和を背景に今後も国債を買い上げる方向であるうえ、社債市場が不安定化するなか、国債購入という形で「質への逃避(フライ・ツー・クオリティ)」が起こっていることなどだ。
ただ、05年には銀行の自己資本比率規制で、銀行が保有する資産がリスクに応じて、従来より多額に換算される。国債については実際的な影響は出ない見通しではあるものの、格付けがもう1ランク低い「A」になれば、資金調達に影響が出かねない、との見方も出ている。
ただ、景気と財政が極めて厳しい状況にあるのは事実で、重い課題が突き付けられていることに変わりはない。 【藤好陽太郎】
[毎日新聞12月4日] ( 2001-12-04-19:59 )