投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 04 日 18:36:06:
ムーディ−ズ・インベスターズ・サービスが日本政府が発行若しくは保証する円建て国内債券の格付けをAa2からAa3に一段階引き下げた。格付け見通しもネガティブに据え置かれた。外貨建て債務のカントリー・シーリングAa1、および国際市場で発行された日本国政府の債務の格付けAa1は影響を受けず見通しも安定的に据え置かれた。
この発表を受けて、朝方から軟調推移だった銀行株が一段と弱含む展開となった。例えば、みずほHDは、前場は高値28.7万円、安値27.3万円だったのが、後場は、高値27.9万円、安値26.9万円となり、上場来安値を更新するとともに安値引けとなった。なお、債券先物は前日終値近辺でのもみあいとなり特に方向性は出なかったようだ。
また、いすゞが最近の株価低迷に関して、大引け後記者会見を行い、企業活動の実態を正しく反映していないとのコメントを発表した。不況の深刻化と長期化。海外の有力格付け機関の相次ぐ、日本国債の格下げと長期金利上昇リスク、ジャパンプレミアム発生懸念。今後、市場でのプライシングに関して、異議を申し立てる企業が相次ぐ可能性が高そうだ。経営者の発言が正しいのか、それとも、公正な価格形成がなされている市場が正しいのか。投資家は、判断し見極める必要性が今後ますます高まることになるだろう。
このような状況下、買える銘柄、保有できる株式は、借金がなく手元流動性が厚く、日本政府の保護なしで利益を上げることのできる企業のみということになろう。公的援助無しでは生きられない企業は、当分、怖くて触れない状況と警戒しておきたい。