日銀:外債購入検討による円安誘導論議が波紋〔毎日新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 01 日 21:57:57:

デフレ解消のため、日銀が米国債など外国の債券を購入すべきとする議論が内外で波紋を広げている。「日銀が外債購入を検討」との英経済紙の報道を受け、東京外国為替市場では11月26日以降、約3カ月ぶりに一時1ドル=124円台前半まで円安が進んだ。日銀は、金融政策の現状維持を決めた同29日の金融政策決定会合でも、この問題を議論した模様だが、外債購入に踏み切るには超えるべきハードルが多い。

◆「一石二鳥」

英フィナンシャルタイムズは22日付で、日銀の外債購入検討や米政府高官が日銀の姿勢を支持したと報道。日本政府は否定したが、国際金融筋では、実現への観測が急速に高まった。
「日銀が米国債を買えば購入資金の円が市場に出回り、流動性が増す。さらに、ドルを直接買うので円安になり両方の意味でインフレにつながる」という理屈で、自民党や金融関係者の一部で期待が根強い。10月上旬の金融政策決定会合でも、一部審議委員が同様の主張をし、日銀内部でも検討を続けている。

◆為替介入権は?

しかし、実現の可能性は今のところ乏しそうだ。外債購入は事実上、日銀による為替介入に等しい。介入の決定権限は財務省にあり、実際、日銀による外債購入は、介入要請があった場合に限っており、外国債を金融調節のために日銀の判断で購入することは、同省の要請で事務を代行することを定めた日銀法第40条に抵触する可能性がある。さらに、外債購入を行っても、「デフレを食い止め、景気を回復させる効果がどれだけあるのか。本当に円安をコントロールできるのか」(日銀)という疑念が金融当局にある。
日銀の中原真審議委員は「外債購入の可能性は論理的にはありうる」と含みをもたせるが、「財務省や外国政府の国債管理政策との関係もあり、十分な詰めが必要」と慎重な見方を示している。【川口雅浩】
[毎日新聞12月1日] ( 2001-12-01-21:39 )

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