投稿者 sanetomi 日時 2001 年 12 月 01 日 04:35:47:
■公益法人 27補助金に問題点
会計検査院は三十日、財政投融資の対象である四十五の特殊法人(財投機関)の債務は総額約三百六兆円、昨年度の国の財政負担は約五兆五百億円に上るとする決算分析と、公益法人に対する二十七の補助金が有効活用されていないとの指摘を柱とした昨年度の決算検査報告を小泉純一郎首相に提出した。
決算分析は、四月の財投改革で特殊法人が財投機関債発行による民間資金調達を進めるとされたことを受け、市場の信認を得るには「延滞債権が損失となる可能性を正確につかみ、競争入札によるコスト圧縮など事業健全化を進め、安定した財政基盤をつくることが課題」などと指摘した。
税の無駄遣いの指摘は内閣と十省庁、十四政府出資法人の二百三十八件で総額約百三十八億四千万円。徴収不足は二十二件で約七十二億二千万円だった。
財投機関と公益法人の検査は、省庁の枠を超えて初めて横断的に実施した。財投機関の決算は昨年度まで十二年間の決算書を中心に分析。四十五法人の債務総額は「国債残高にも匹敵する」とした。十二年間の国の財政負担総額は約三十一兆二千億円。
民営化が決まった日本道路公団の場合、十二年間に長期借入金など固定負債が約十兆七千八百億円増えており「東京湾横断道路完成で債務が一挙に増加。事業収入はほぼ横ばいで、資産効率は低下、国の財政負担が増加している」とした。他の法人もバブル崩壊後の景気悪化や金利低下の影響で、多くが債務の返済にリスクを抱えている。
公益法人では、法人の事業や基金のため三十五法人に国が出した六十二補助金を検査。二十七補助金(二千十二億円)で問題点を指摘した。
実績がないまま事業が終了しその後も法人が補助金を保有し続けた事例一件をはじめ、事業実績が全くないか少ない状況となっている事例八件、使う見込みがない資金を保有している事例四件などが目立った。
省庁別の検査では、来年度廃止される郵政事業庁の「渡切費」について、経理帳簿の保存期間を昨年九月を境に三年から一年に短縮しており「監査上支障がある」とするなど計二百六十件を指摘した。