投稿者 sanetomi 日時 2001 年 12 月 01 日 04:11:59:
【ワシントン逸見義行】米商務省が30日発表した01年第3四半期(7〜9月)の米実質国内総生産(GDP)の伸び率の修正値は、前期比年率換算でマイナス1・1%と速報値より0・7ポイントも大幅に下方修正された。輸出と在庫が当初見込みより落ち込んだためで、9月の同時多発テロの影響が深刻であることを示した。マイナス成長になるのは8年半ぶりで、マイナス幅は91年第1四半期(1〜3月)のマイナス2・0%以来10年半ぶりの大きさ。
01年第4四半期(10〜12月)の成長率はさらにマイナス幅を拡大する可能性が高い。このため、米連邦準備制度理事会(FRB)は、景気後退の拡大を防ぐため、12月11日の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年11回目の利下げに踏み切るのは確実と見られる。
第3四半期の成長率が大幅下方修正されたのは、輸出がテロの影響で同比17・7%減と速報段階の16・6%減から落ち込み、輸入が同比12・9%減と速報の15・2%減から上方修正されたため。また在庫の取り崩し額が601億ドルと速報段階より19・2%も拡大したためだ。
景気のエンジン役だった個人消費はテロの直撃を受けて、同比1・1%増と速報値段階から0・1ポイント下方修正された。民間設備投資は同比9・3%減、住宅投資は同比2・5%増と速報値段階よりやや上方修正された。
企業収益は前期比8・3%減と前期の同比3・8%減からさらに落ち込んだ。テロ被害に対する保険金支払い額が急増し、保険業界の収益が大幅に悪化したことが影響したと見られる。