WSJ-エンロン、初歩的な会計上のミスで株主資本を水増し(ダウ・ジョーンズ)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 12 日 16:34:28:

NY(ウォール・ストリート・ジャーナル)米総合エネルギー大手のエンロン(NYSE:ENE)は先週8日、証券取引委員会(SEC)に提出した文書の中で1997年までさかのぼって決算報告書を修正し、この期間の純利益を計5億8600万ドルも過大報告していたことを認めた。修正報告からは、エンロンが初歩的な会計上のミスをしていたことが明らかになり、監査を担当したアーサー・アンダーセンに対する批判も強まりそうだ。
エンロンは、株主資本が12億ドル減少したと10月中旬に発表したことをきっかけに株価が下げ足を速め、格付けの引き下げで資金調達も難しくなった。こうした結果、エンロンは、同社よりも規模の小さい同業の米ダイナジー(NYSE:DYN)への身売りを余儀なくされた。
エンロンは当初、株主資本が大きく減少した理由として、前最高財務責任者の投資会社との株取引の解消を挙げていた。ただ、8日の修正報告でエンロンは、「一般に認められた会計原則(GAAP)」に違反していたことが主因だったことを認めた。
修正報告によると、同社は2000年の初めから、4つの特別目的会社が発行する受取手形と引き換えに、普通株を発行した。GAAPによると、企業が株式発行によって受け取る資金を株主資本に繰り入れることができるのは、受け取った資金が現金である時のみ。こうした規則を無視したことにより、エンロンは株主資本を2000年の監査済みの決算報告書で1億7200万ドル水増しし、2001年の未監査決算報告書では8億2800万ドル膨らませた。約10億ドルの過大報告は、6月末時点の株主資本の約8.5%に相当する。
SECの元主任会計士であるリン・ターナー氏は、「現金が入るまでは、株主資本に組み込めないことは会計学の基本であり、手形は現金には相当しない。問題は、こんな簡単な規則をなぜ、監査を担当したパートナーやマネジャーが見落としたかだ」と述べた。
5大監査法人に対しては、不正経理に対する監査が甘いとの批判が近年強まっており、アンダーセンについては、今年2月に連邦破産法11条の適用を申請した電気製品製造大手、サンビームの粉飾決算に絡み、監査を担当したパートナーがSECに摘発されている。また、大手廃棄物処理会社のウェイスト・マネジメント(NYSE:WMI)の監査についても、利益が過大報告されていたのにもかかわらず、適正との意見をつけたことで、アンダーセンは今年6月、SECに民事制裁金を科されている。
サンビーム、ウェイスト・マネジメント、エンロンは、いずれもアンダーセンの大手顧客。エンロンからは昨年、監査費用として2500万ドル、その他のサービスとして2700万ドルの収入を得ている。アンダーセンの広報担当者、デビッド・タボルト氏は、顧客機密は明かせないとして、エンロンの監査についてはコメントを避けた。
批判は、エンロンの監査委員会に対しても向けられそうだ。監査委員会は、フィル・グラム上院議員(共和党、テキサス州)夫人で、商品先物取引委員会(CFTC)元委員長のウェンディー・グラム氏などが主なメンバー。グラム氏は、エンロンの広報を通じ、コメントしない、と述べた。
(11月12日付Heard On The Streetより)

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