投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 30 日 20:21:57:
広告代理店最大手の電通が30日、東証1部に上場した。外資系証券が誤った注文を出した影響で、初値が募集・売り出し(公開)価格と同じ42万円と事前予想より大幅安になった後、一転して買い注文が殺到し、ストップ高で取引を終えた。即時・大量注文が可能な半面、チェックが行き届かないコンピューター取引の“落とし穴”で、今年有数の大型上場は異例の混乱に見舞われた。
電通株は取引開始直後の午前9時2分に40万5000円に下落した。UBSウォーバーグ証券が同9時に「61万円で16株売り」を「16円で61万株売り」と誤注文したためで、すぐに取り消したものの、6万5579株もの売買が成立済みとなった。決済日(5日)の株式引き渡しに応じるため、同証券は大量の買い戻しを始めたが、これを見た他の投資家は売りを控え、買い気配値が急騰。比例配分で3235株の売買は成立したが、17万6724株もの買い注文が残った。
同証券は同日、1万8339株を買い戻したが、5日に引き渡さなければならない株数には依然、不足している。電通株は証券金融会社からの借り株が可能な銘柄ではないため、同証券は多額の損失覚悟で電通株の買い戻しを続ける一方、大株主から株を借りる必要がある。引き渡せなかった場合は決済日を繰り延べられるが、遅延損害金が課される。
今回のようなミスは「かつての立会場取引ではあり得ない」(東証)もので、コンピューター取引特有だ。電通は日本マクドナルドに並ぶ今年最大級の新規上場銘柄。抜群の知名度や公開価格の割安感から個人投資家の人気も高く、上場による市場活性化の期待もあったが、本来の需給を反映しない値動きになり、市場関係者は失望していた。 【吉原宏樹】
[毎日新聞11月30日] ( 2001-11-30-19:53 )