投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 30 日 16:25:32:
悪化し続ける失業率。地域差も顕著になり、全国最悪の水準で推移する沖縄では9・3%と、ほぼ10人に1人が職のない事態が続き、有効求人倍率も0・26倍と全国最低。解雇の波が中高年を襲い、新卒者は採用中止や内定取り消しの動きにたじろぐ。米軍基地問題で負担を強いられるオキナワは、雇用問題でも大きな「痛み」を受けている。
沖縄では米同時多発テロ後に旅行客が急減した影響で、観光関連で解雇や採用内定取り消しの動きが広がっている。
沖縄労働局によると、テロ後、観光関連でパート従業員を中心に64人が解雇された。内訳は土産物店35人▽観光施設20人▽リゾートホテル5人▽観光バス3人――など。ほかに卒業予定者の採用内定取り消し14人▽1次試験後の採用中止26人▽求人票を学校に提出後の求人取り消し70人(いずれも29日現在)。沖縄労働局は「観光関連の落ち込みが大きく、今月以降の統計で数字として出てくる可能性がある。雇用情勢は、今後も厳しい状況で推移する」と推測する。
県内の高校3年女子生徒は「人と会うのが好きだから、県内のホテルに勤めたい」と就職活動を始め、県内の大手ホテルグループの1次試験に合格した。2次試験の面接を控えた10月11日にホテルから「テロ後にキャンセルが相次ぎ、新規採用を取りやめることになった。おわびしたい」との文書が届いた。すぐ別の県内のホテルを受験したが、不合格。県内企業の求人は少なく、東京で販売の仕事に就くことを考えている。
土産物店が立ち並ぶ那覇市の国際通り。修学旅行のキャンセルが相次ぎ、例年のにぎわいはない。国際通りなどで7店舗を経営する土産物店主(37)は売り上げが半減し、10月中旬、アルバイトやパート主婦の半数にあたる40人を自宅待機にした。「つらい決断だった。自宅待機を言い渡す役目の店長に、心を鬼にするように言った。今年は忘年会もなし。人を休ませているのに飲んでなんていられません」
土産物店やホテルに納入している菓子問屋の従業員(47)は「売り上げ半減でボーナスは出ないらしく、いつ自分が解雇されるのかと不安でいっぱい。この被害は米軍の基地があるからなのでしょうか。狭い沖縄に50年も基地が押し付けられてきた。やっぱり基地はいらないと思うようになった」と言う。 【中村宰和】
[毎日新聞11月30日] ( 2001-11-30-14:48 )