投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 28 日 17:07:45:
S&Pは、主要邦銀10行の長期格付け、および信託銀行2行の格付けを、格下げの可能性ありとして「クレジット・ウォッチ」に掲載した。「クレジット・ウォッチ」に掲載した銀行は、三和銀行・東海銀行、農林中央金庫、第一勧業銀行・日本興業銀行・富士銀行・安田信託銀行、三井住友銀行、三菱東京フィナンシャルグループの東京三菱銀行・三菱信託銀行の都銀10行と住友信託銀行および東洋信託銀行の信託2行だ。国債及び邦銀の格下げ懸念の強まりを受け、東京株式市場は軟調推移となった。日経平均は10624.81円前日比324.08円安で取引を終了した。市場の一部では、格付け機関の厳しい日本経済への見方から、今後ジャパン・プレミアム(邦銀に対する上乗せ金利)を懸念する声も出始めており、長期金利の動向と為替市場の動向には注意を払う必要が出たと考える。
ただし、目先は"首を落とされた鶏"のごとく、今までにない羽ばたきとスピードで上へ上へと動く展開を想定する。仮に、力尽きて倒れるとすれば、来年2-3月というイメージで相場を眺めておきたい。短期的には押し目買い優勢を展望する。その理由として、穏当な円安は輸出企業の収益を下支えすることでハイテク株の下値が堅いと考えられること。ハイテク株の日経平均への寄与度が高いことから指数自体の値持ちはそれなりに期待できると考えるからだ。11/28現在の25日移動平均線は10534.04円であるが、当面はこれが下値サポートとして機能すると考えておきたい。
借入金依存度が低く、手元流動性が厚く、日本政府の保護、規制なしでも生きていける企業のみが投資対象となろう。ナナボシ、新潟鉄工と上場企業の破綻が相次いでいるが、これは不良債権処理が実現したものと前向きに捉えるべき経済事象と認識しておきたい。長期金利の上昇は、過剰債務に喘ぐ経営不振企業を直撃することになろう。むしろ、金利上昇が金融収支の大幅改善につながる企業に投資資金は局地的に流入する展開をイメージしておきたい。