投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 27 日 20:59:54:
日本の財政赤字は、長期にわたる景気低迷によって、主要先進国中最悪の水準にまで拡大している。国の財政赤字を示す国債発行額は、1998年度から3年連続で30兆円を上回っており、地方自治体の赤字である地方債発行額も10兆円を超えている。
その結果、国全体の財政収支(一般政府ベース)は、99年度でおよそ40兆円、名目GDP比で約6%の赤字となった。財政黒字に転じた米国や英国はもとより、赤字幅が総じて名目GDPの2%以内に収まっているドイツやフランス、イタリアなどのユーロ圏主要国と比べても、日本の財政赤字の規模がいかに大きいかがわかる。
ストックの赤字である政府の債務残高を見ると、日本の財政が極めて深刻な状況にあることが一層はっきりする。財務省の資料によれば、国と地方を合わせた長期債務残高は、2001年度の当初予算ベースで名目GDPの1・3倍にあたる666兆円に達する。一方、欧米先進国の政府債務残高は、概ね名目GDPの5〜6割程度にとどまっている。財政の状態が特に悪いと言われているイタリアですら、名目GDPを若干上回る程度である。
日本の財政事情がここまで悪化しているにもかかわらず、日本政府の信用力を反映しているはずの国債利回りは、他の主要国と比べても非常に低い水準にとどまっている。
これを素直に受け取れば、今のところは財政が破綻するリスクをそれほど心配する必要がないというのが市場のコンセンサスのようだ。しかし、財政の悪化に歯止めがかからない状態が続けば、いずれは相応のリスクプレミアムが上乗せされることで、長期金利の上昇圧力が強まるだろう。