投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 27 日 12:00:19:
狂牛病と米中枢同時テロの影響が懸念された全国のスーパーや百貨店の十月販売統計が二十六日まとまり、ともに前年割れの厳しい内容となった。失業率や企業倒産の上昇も懸念されるため、消費マインドは引き続き低調に推移している。(樋口教行)
スーパーの業界団体である日本チェーンストア協会によると、十月の売上高は衣料品、住生活関連品、食料品ともそろって不振で、前年同月比10.1%減(店舗調整後)と二けたの大幅減となった。二けた減を記録したのは、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動減となった平成十年三月(10.7%減)以来。前年同月比マイナスは三十五カ月連続となる。
減少理由は、(1)昨年十月にダイエーのホークス優勝セールとマイカルのジャイアンツ優勝セールがあり、反動が出た(2)マイカル破綻の影響で大幅な販売減が出た(3)狂牛病の影響で牛肉消費が大きく落ち込んだ、などのため。
食料品のうち生鮮品は7.9%減で、狂牛病による牛肉消費の減少が響いた。牛肉は、店によっては前年同月比で40−80%も減少する大きな落ち込みを示した半面、豚肉や鶏肉などが20%以上も伸び、精肉全体では10−20%減にとどまった。
衣料では低価格紳士スーツなど単価の安い商品の販売は好調だが、総じて価格低下分を補うほど販売数量が伸びずに衣料品全体で17.7%減となり、住関連品ではテロの影響でバッグやスーツケースなど海外旅行関連品の販売が急激に悪化し、14.0%減だった。
一方、日本百貨店協会がまとめた十月の全国百貨店売上高も、前年同月比1.7%減(店舗調整後)と前月のプラス回復(2.9%増)から再び前年割れに転じた。
企業など大口需要が回復せず、日曜日が一日少なかったため。減少幅が大きい衣料品(3.2%減)は、前月好調の秋物の動きが鈍り、紳士服や子供服の販売も悪化。婦人靴やアクセサリーなど身の回り品(3.3%増)は引き続き好調で、食料品は牛肉消費の落ち込みを魚などでカバーし、0.5%増となった。
十一月の販売も、「全部門で順調に推移していたが、狂牛病の二頭目発見の影響が懸念される」(チェーン協)、「東京地区の動きは、十月とほぼ同じ厳しさ」(百貨店協)と厳しい見通しだ。