投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 27 日 05:18:34:
半導体は産業界のコメと言われた。コメはもちろん日本人の主食である。それなしには戦
えない。オリンピック選手だって電気釜を持って行ったくらいだ。
かつては鉄が主食の位置にいた。太平洋戦争時、日本の粗鋼生産400万トン、米国80
00万トン、終わってみるとそれくらいのスコアで負けた。アフガン空爆の最新攻撃機はコス
トの70〜80%はエレクトロニクスという。もちろん、半導体抜きのエレクトロニクスなんてあ
りやしない。
ただしコメはいくらあってもよいと思わせたのは昭和40年くらいまで。手厚い農政(ホント
手厚かった)と機械化による生産性の向上でアッという間に余り始めた。古米、古々米が倉
庫にあふれ、食管会計の赤字は「財政をむしばむ3K」と言われ農林官僚の頭痛のタネとな
った。ガットではヤイノヤイノ言われるしね。
半導体の運命も暗示的である。米国90年代の長期ブームの原動力がIT(情報技術)にあ
ることは早くからわかっていたが、「わかっていること」と「実行すること」は別である。コピー
の天才日本もそうは早く模倣できない。
ITに憑(つ)かれた森前首相が「小学校の児童に1台ずつパソコンをそなえたら」と言ったら
「誰が教えるのですか?」と言われて絶句した程度。それでも米国向けにと各電機メーカー
それぞれウン千億円の半導体増産設備に投資したとたんに米国ITブームの千秋楽。
悲劇はグローバルである。同じことを韓国、中国がやって同じように過剰生産におちいっ
た。コメと違って誰も管理しないから「余り物に値なし」。価格はピークの10分の1という惨
状。あまりのことに吐いたセリフ。「これでは産業界のネギだ」 (三連星)