投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 26 日 12:56:49:
小泉首相が扇国土交通相に対し、本州四国連絡橋公団の債務処理について、国の道路予算と関係地方自治体の負担を柱に検討するよう指示していたことが25日、明らかになった。
指示は、21日に首相と国交相が会談した際、国土交通省所管の道路4公団など6法人の廃止・民営化について文書で示された。本四公団については「債務は国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理するとともに、道路料金の活用も検討する」と明記している。
本四公団は約3兆8000億円の有利子負債を抱え、通行料収入800億円に対し、毎年の利払いだけでも1400億円と、「事実上、破たん状態」(政府筋)。国交省は、本四公団をただちに民営化した場合、国民負担は2―3兆円と見ている。
道路予算の使用は、来年度から日本道路公団への投入を中止する年間約3000億円の道路特定財源からの出資金を債務処理に回すことを想定した案で、本来は橋の通行料収入で返済すべき債務を国民負担で穴埋めするものだ。一方、地方に負担を求めることに対しては、関係自治体からの反発が予想される。
◆首相の主張と矛盾?◆
小泉首相が扇国土交通相に対し、本州四国連絡橋公団の債務処理に、道路特定財源である道路予算を使うよう指示していたことが明らかになったが、道路特定財源の使途を道路関係以外に振り向けて一般財源化するとしてきた首相の主張に逆行するものだけに論議を呼びそうだ。
約3兆8000億円の有利子負債を抱える本四公団の債務処理について、首相は当初、日本道路公団など道路3公団と統合し、本四公団以外の通行料収益で債務全額を穴埋めする考えだった。しかし、この案に対しては、高速道路整備計画区間の未開通部分の建設に使用できる事業費が本四公団債務処理に充てる通行料収益分だけ圧縮されることから、自民党道路族議員が反対していた。このため、通行料収益については「道路料金の活用も検討する」として債務の一部返済に充てるにとどめ、返済の柱は道路特定財源から拠出される道路予算と関係地方自治体負担とすることにした。
この場合、道路特定財源の使途の一つが本四公団の債務返済に“固定”されることになるため、同財源の使い道を道路関係以外にも開く一般財源化に反対している道路族には、一般財源化阻止の手掛かりになるとの受け止め方が強い。道路族が首相の道路4公団民営化案を受け入れた大きな理由の一つといえる。
ただ、道路4公団の民営化の形態や手続きなどは今後、内閣府に設置する第三者機関で結論を出すことになっているうえ、首相が道路特定財源の一般財源化を断念したわけではないだけに、今後の調整が注目される。
(11月26日06:02)