投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 23 日 20:18:05:
米国同時多発テロの影響などで景気の減速感が強まる中、毎日新聞社は国内の主要企業を対象に、景気の現状や雇用問題に関する緊急アンケートを実施した。テロの影響が「ある」と回答した企業は6割を超し、国内景気が底打ちする(最悪期を脱する)時期については、ほぼ半数の企業が来年度後半と回答、先行きに悲観的な見方が広がっていることを裏付けた。今後2年間で社員を「減らす」と回答した企業も6割に達しており、雇用環境は一段と悪化する見通しだ。
調査は主要な1部上場企業を中心に実施、23日までに102社から回答を得た。
テロ事件の経営への影響については、「顕著な悪影響が出ている」と回答した企業が電機・空運会社を中心に9%、「やや影響がある」と答えた53%と合わせると62%にのぼる。「ほとんどない」「わからない」との回答は、流通など38%にとどまった。
国内景気が最悪期を脱する時期は、今年度中との見方は1%のみで、来年度後半が52%で最も多く、03年度以降との見方も35%あった。大部分の企業が今後1年余り、景気後退が続くとみている。IT(情報技術)関連企業や流通に悲観的な見方が目立ち、米国の景気後退が国内のIT関連の回復を遅らせ、個人消費などの落ち込みに循環的につながると見ているようだ。
雇用については、今後2年間で減らす企業が60%にのぼり、「変わらない」の33%、「増やす」の6%を大きく上回った。具体的な削減方法は、自然減が6割弱(複数回答)と最も多いが、早期優遇退職など希望退職も2割弱の企業が選択した。完全失業率が5・3%に達する中、大企業を中心に人員削減の動きはさらに強まりそうだ。
経済政策として焦点になっている新規国債発行額を30兆円に抑えることについては、「堅持して財政再建を推進」が27%、「棚上げして思いきった景気対策を」が26%とほぼ2分した。ペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円と利息とする措置)の凍結解除については、「予定通り実施」が52%と半数を超え、「金融危機の恐れが強いので延期すべきだ」の13%を大きく上回った。
[毎日新聞11月23日] ( 2001-11-23-18:54 )