投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 11 日 18:06:24:
来年4月に予定されるペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利子までとする措置)解禁が刻々と迫るなか、多額の公金を抱える秋田県は対応策を固める作業のまっただ中だが、難航している。当初は11月中に公金保護策を取りまとめる予定だったが、見通しは厳しい。県会計課は「年内には何とかしたい。ただペイオフへの対応は前例がなく、金融機関との調整が大変」と話している。
県の公金としては、基金が2000年度末で約970億円、金融機関の口座に入っている手持ちの歳計現金が前年度1日平均で約90億円。制度融資のための預託金は2001年度当初予算に約582億円が計上されている。
県は今年8月下旬に、ペイオフ解禁対策検討会議を設置、初会合を開いた。基金、歳計現金、預託金の扱いについて、それぞれ部会を設け検討を始めた。各部会は10月に中間報告を出す予定だったが、2回目の会議はまだ開かれていない。
総務省はこれまでに、ペイオフ解禁後に金融機関が破たんした場合の地方自治体に対して預金保護策を例示している。1例として、破たん銀行に預けた自治体の預金と地方債による借入金債務を相殺し、自治体の損害を回避する仕組みを導入することを挙げる。相殺するためには、預金先の金融機関から証書借り入れ方式で相殺額以上の地方債を借り入れていることなどが条件となる。
しかし、本県の地方債は大半が市場で流通する証券方式となっており、県会計課の石川透課長は「流通性のない証書を、銀行がどれだけ引き受けてくれるか不透明な面がある」と説明する。
総務省はこのほか、(1)指定金融機関から提供される担保の充実(2)金融機関が保有する国債・地方債などへの質権の設定―なども例示しているが、石川課長は「(総務省の指示は)机上の話であり、実際の相手との調整となると大変な作業だ」と話す。
ペイオフの解禁時期については、金融システムの不安を背景に一部で再延期論も浮上。こうした中で、県は手探りながらも黙々と作業を進めており、担当者らは刻々と迫る来年4月1日に頭を悩ませる日々が続いている。