投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 22 日 22:13:51:
経済財政諮問会議の議論を受けて、日本経済再生シナリオを検討してきた再生シナリオ検討プロジェクトチームは、きょう22日の諮問会議に「構造改革の先に目指す日本の姿」と題するとりまとめを提出、公表した。同シナリオでは、構造改革が進むかどうかで予測を変えており、構造改革が進んだ場合は、今後2年程度の集中調整期間後は、1.5%程度の実質国内総生産(GDP)成長率が期待できる、という。一方、構造問題が進まない場合、2010年度まで平均実質成長率は0.5%程度になるほか、財政赤字拡大から長期金利が急上昇すれば、ゼロ%近い低成長になる可能性がある、と指摘している。
再生シナリオでは、財政構造改革や規制緩和等の実行や、不良債権問題やデフレ問題の解決といった構造改革を進める必要がある、としたうえで、構造改革が進んだ場合は、今後2年程度の集中調整期間後は低い成長だが、その後は実質1.5%程度、名目2.5%程度のGDP成長率が期待できる、とみている。また、国と地方の財政赤字(プライマリーバランスの赤字)のGDP比が低下していく、としている。
一方、構造問題が進まない場合、2010年度まで平均実質成長率は0.5%程度になるほか、政府の財政赤字(プライマリーバランスの赤字)のGDP比は上昇しつづける、としている。再生シナリオでは、「この場合、国債に対する信頼性が低下し、長期金利が急上昇し、景気後退に至るリスクが高まる可能性がある。また、そうした状況では、景気後退に対処するために政府支出を拡大しても、それが持続可能なものとはみなされず、景気を下支えする効果も限られる。経済は安定性を欠き、閉塞感も強まる。このようなリスクが現実のものとなる場合、成長率はゼロ%に近い低成長になる可能性がある」と指摘している。
なお、再生シナリオ検討プロジェクトチームの奥田経済財政諮問会議議員は、新規国債発行額30兆円枠について、「2002年度の30兆円枠は非常に大きな公約として、国内外に重みを持っている数字だ」としたうえで、今年度の30兆円とは重みが違う、との認識を示した。