国債買切は調節の1手段、すぐ増やさないと調節できない状況でない=中原日銀委員[金沢22日ロイター]

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 22 日 16:19:53:

日銀の中原眞審議委員は、国債買い切り増額について、あくまで金融調節の1手段である、としたうえで、現時点で買い切り額を増やさないと調節できない状況ではない、と述べた。
金沢市で金融経済懇談会に出席した後、記者会見で述べたもの。
中原眞審議委員は、長期国債買い切りについて、「3月の政策レジームを見てもらえば分かるが、あくまで金融調節の1手段であり、その意味で、すぐさま買い切りを増やさないと調節できない状況ではない」と語った。同委員は、「8月に長期国債買い切り額を2000億円増やしたとき、マーケットは逆に反応した。あれは期末接近に伴う益出しの流れと、330兆円という財政の問題が、どのように着地するのか読めないというなか、市場が不安定な状況になっていたのが、あのときの金利上昇の要因だと思っている」としたうえで、「長期国債買い切りを増やすと、せっかく長期金利を低位に安定させようという考え方とは逆にマーケットが動く可能性がある」と語った。同審議委員は、長期国債買い切りは、あくまで調節の1手段だが、額を増やす際には、マーケットの動向も慎重に判断する必要がある、との認識を示した。
また、中原眞審議委員は、日銀が調節手段として外債を購入すべきとの考えについて、国債等による現在の金融調節手段によって十分資金は供給できている、としたうえで、「供給手段として外債購入をやらなくてはいけない状況ではない」との考えを示した。
そのうえで、同委員は、あくまで理論としたうえで、「理論的に外債購入がありうるか、といわれれば、調節手段として論理的にはありうる。準備資産として当座預金との代替性が小さいという意味では、調節の効果は国債よりあるかもしれない。外債を買う方式、シナリオを排除する必要はない」と語った。ただ、同委員は、「外債について必要なら買えば済むという問題ではなく、財務省や購入する外債を発行する外国の当局との問題もあり、十分な詰めが必要であることは間違いない」と述べた。
また、同委員は、“午前中の懇談会で、デフレ・スパイラルになるような経済悪化になった場合、日銀と政府が一体となって通常では取り得ないような手段を使っても危機を乗り切らなければならないことは当然といったが、通常では取り得ない手段とは何か”との質問に対して、何か特定の政策を想定したものではない、としたうえで、「いわゆる非伝統的な手段についても、当然、デフレ激化に備え、何が問題で副作用か、政策発動には何が必要なのか、という趣旨できちんと詰めて置く必要がある、ということを述べた」と語った。
このほか、中原眞委員は、デフレ・スパイラルとは何かという点について、経済指標の悪化がスパイラル的に急速に起きるとか、信用収縮が急速に起きるといったことが条件である、との考えを示した。
このほか、同委員は、“インフレ参照値”について、「審議委員のなかで共通認識ということでなく、あくまで個人的認識である」としたうえで、「何らかの安定物価の定義という形で、数値的なレンジを示せないかと述べたところ、“インフレ参照値”として伝えられた」と語った。

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