投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 22 日 11:05:11:
第2次補正予算の財源が過去のNTT株売却収入でまかなわれることになり、今年度の国債発行額を30兆円以下に抑制するという小泉内閣の方針は辛うじて堅持されることになった。ただ、本来は国債の償還に充てるべき財源を流用したことで「30兆円枠」維持のための”つじつま合わせ”との指摘もある。国は「へそくり」を使い果たした形で、来年度当初予算は「30兆円枠」を守るため一段と厳しい作業を強いられことになる。
財務省はこれまで、2次補正について(1)30兆円枠を断念して、国債を増発して財源に充てる(2)新たな財源を捻出して30兆円枠は堅持するーーという2正面作戦で対応を検討。最終的に小泉純一郎首相の決断を受けて、NTT売却収入を活用することにした。「小泉首相の構造改革に向けた断固とした姿勢を示すことができた」(自民党幹部)と評価する声もある。
しかし、「虎の子」を持ち出したことで、来年度予算のやり繰りはさらに厳しくなる。政府部内には、“15カ月予算”が実現することで「来年度予算に盛り込む予定だった歳出を前倒しして2次補正に取り込み、来年度予算の規模を削り込むことができる」という楽観論もある。
ただ、与党内では、すでに「来年度予算では30兆円枠にこだわるべきではない」と、積極財政論が台頭しはじめている。構造改革の推進に協力を得るため与党の要求に応じて編成方針を決めた2次補正予算が、歳出圧力を増大させる呼び水になりそうな気配だ。【松木健】
[毎日新聞11月21日] ( 2001-11-21-23:12 )