投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 22 日 10:31:26:
昨日は、米S&Pの日本国債に関して、格下げはシビアなものとなるだろうとの発言が伝わり、2段階格下げが囁かれた。ところで、本日、出勤前にテレビを観ていたら、国債はとっても魅力ありますとアピールするCMが流れていた。港町でご老人がくったくのない笑顔で魚を持っていたのが印象的だったが。ウーン。大丈夫でしょうか。経済情勢や社会情勢に一応の関心は寄せながらも、日々地道に正直に生きている一般国民の資産は・・・。ふと、脳裏によぎったのは、あの30社問題で不良債権問題を一般に知らしめた木村剛氏の著作「キャピタルフライト円が日本を見棄てる」だ・・・。
ところで、社債市場を取り巻く環境が1997−98年に似てきているという。株安や格下げで社債に売りが出ても買いが入らないという。例えば、丸紅とあさひ銀行の普通社債は11月8日から10営業日連続で価格が下落しているそうだ。機関投資家が価格変動リスクを取ろうとしないこの傾向はやや警戒しておく必要がある。おおもとの国債の利回りが上昇しない限り、影響は限定されようが、そうでなくなった場合、売りが売りを呼ぶ状態に陥ることも想定しなければならないからだ。
銀行も貸し出しを圧縮してリスクを取ろうとしない。投資家もリスクを恐れて株式市場に資金を投じない。その裏で、日銀がジャブジャブに短期金融市場にお金を供給している。そして、市場には、多額の借金と経営不振に喘ぎながらも株価が額面を割れている状態の企業が浮遊している。一昨日のあさひ銀行、そして、昨日の三井住友銀行と、大手銀行は引当金の積み増しによる不良債権処理額の増額、法定準備金の取り崩し等市場が待ち望んだリストラを発表した。
これにより、銀行株は短期リバウンドに入れる環境は整いつつある。次に、期待するのは早期の“破綻の実現”だ。処理進展の具体的な事例。これが出てくる必要がある。そのようなきっかけが出れば、瞬間市場はネガティブな反応をしたとしても、経済、金融が健全な方向に進んでいるとはっきりと認識し買いを入れてくるだろう。そして、次の段階では、銀行は自助努力による資金調達と儲ける手段の明確な提示を求められることになろう。ただし、本日は、大成火災が破綻した。このあたりの影響を考慮すると今日は、3連休を控え破綻の実現に対してリスク回避の動き、即ち、現金化の動きが加速する可能性が高そうだ。