投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 22 日 05:20:21:
公的資金の注入を受けている大手銀行12行は21日、今後支払う役員退職金を最大5割削減し、すでに退職した元役員に対しても支払った退職金の一部の返還を求めていく方針を固めた。大手行は、金融庁の特別検査を受けて一段の不良債権処理に踏み切る考えで、自己資本が減少する見通し。役員退職金の大幅な削減は、自己資本の減少をリストラで少しでもカバーする姿勢を示すとともに、経営責任を明確にする狙いもある。
大手行は22日から順次行う9月中間決算発表の席上などで、それぞれ退職金カットを表明する。リストラを強く促す金融庁の意向も働いており、大手行が退職金の削減や返還で足並みをそろえるのは極めて異例。
退職金削減や元役員への返還要求を行うのは、公的資金をすでに返済している東京三菱、三菱信託を除く、三井住友銀やUFJグループ、みずほグループなどの大手12行。削減幅は従来の基準で支払われる額に比べ2〜5割に達し、会長や頭取クラスは一般の役員よりも削減幅が大きくなる見通し。
また、返還要求の対象となるのは、大手行に計7兆4500億円の公的資金が注入された99年3月以降に退職した役員。返還要求は道義的責任を強調するもので、三和銀行は21日、渡辺滉元会長と佐伯尚孝元頭取が退職金の一部を返還する意向を示していることを明らかにした。ただ、返還には難色を示す元役員も少なくないとみられる。
大手行の場合、取締役の在任期間が長い頭取経験者は退職金が数億円に上ると言われ、「公的資金の注入行は国民の税金で経営を支えているのに高額の退職金をもらうのはおかしい」との批判が高まっていた。
大手行の高額な役員退職金については、先月4日の衆院予算委員会で柳沢伯夫金融担当相が「(注入行の退職金は)到底認められない」と述べ、各行に見直しを強く迫っていた。 【木村旬】