投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 21 日 21:05:08:
金融庁は21日、大手行10行を対象に9月に実施した緊急検査の結果を発表した。緊急検査は、金融庁が以前行った検査の結果が銀行の自己査定に的確に反映されたかを確認するためのもので、同庁は「多くの銀行は改善が認められるものの不十分」と指摘している。
緊急検査の対象となったのは、金融庁の検査マニュアルが策定された99年7月以降の最初の検査を終えた第一勧業、富士、日本興業、安田信託、東京三菱、三菱信託、日本信託、あさひ、大和、中央三井信託の10行。以前の検査で当局の指摘を受けて業績の悪化した融資先企業を「正常先」から「要注意先」に落とすなど区分を下位に修正した大口融資先をサンプル調査で確認した。
このうち15%の融資先について、金融庁は「融資先の不良資産の実態把握や経営改善計画の実現可能性の検証が不十分なまま、区分が回復している」として、不適切な自己査定と指摘。また、以前の検査で、融資先の区分を決める際に「親会社の支援能力の有無を判断する基準が不明確」と指摘された事項などでも改善が進んでいなかったことが分かった。
金融庁は、残る大手5行に対しても02年3月期決算までに緊急検査を行う一方、検査結果の改善状況は特別検査などを通じて点検する方針だ。【木村旬】