国保保険証の「返還」、10万世帯超す〔朝日新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 21 日 17:18:06:

自営業者や年金生活者などが加入する市町村の国民健康保険で、保険料の滞納を繰り返すなどして保険証を返還させられ、かかった医療費の全額をいったんは支払わなければならない「資格証明書」を交付された世帯が、初めて10万世帯を超えたことが分かった。通常の有効期限より短い保険証を交付される“予備軍”も約70万世帯に急増した。長引く不況に加え、法改正で昨年4月、悪質な滞納者に保険証を返納させるよう市町村に義務づけたことが影響した。
今年6月1日現在で厚生労働省がまとめたところ、全国の滞納世帯は約390万。昨年より20万世帯増え、全体の17.7%を占めた。うち、滞納を繰り返したため保険証に代えて「資格証明書」を交付されたのは約11万1000世帯で、昨年(約9万6000世帯)より15%増えた。比較的悪質でない場合に市町村の判断で交付する「短期保険証」も約69万3000世帯にのぼり、昨年の約39万9000世帯から74%も増えた。
資格証明書で医療機関にかかった場合、医療費の全額を払う必要がある。領収書を持って市町村の窓口に行けば後日、7割分の払い戻しを受けることができるが、保険証が使えれば窓口で3割分を払えばよいのに比べ、多額の金が一時的に必要となる場合がある。
一方、短期保険証は、通常の保険証の有効期限が1〜2年のところ、2〜6カ月程度の期限で発行する。保険証の効力は通常と変わらないが、ひんぱんに市町村と連絡を取る必要がある。
国保の保険料収納率は全国平均で91.4%(99年度)。サラリーマンの健康保険では保険料が給料天引きで徴収されることから、健保側には不公平感が根強い。国保財政もひっ迫しているため、滞納者対策は大きな課題となっている。
このため、00年4月の国保法改正で、それまで市町村の裁量にまかされてきた保険証返還と資格証明書交付について、災害など特別な事情がないのに1年以上滞納した世帯には「必ず返還を求めなければならない」と定めた。さらに滞納が1年半を超えると、保険料の滞納分を全額払うまで、7割分の払い戻しもしてもらえなくなった。
厚労省は市町村向けの通知の中で、「資格証明書の交付事務を通じ、できるだけ滞納者と接触する機会を持ち、納付相談に努力することが重要」と説明。特別の事情がないかどうか「市町村で個々の事情に応じ法令の趣旨に沿って適切に判断を」するよう指導している。
(06:55)

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