投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 21 日 03:21:14:
経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は20日、2回目の集中審議を開いた。「日本再生の第一歩」とされる銀行の不良債権については、銀行の引き当て強化など処理の加速化を求める竹中平蔵経済財政担当相らメンバーと、柳沢伯夫金融担当相の意見が対立。新たな対応は検討せず、すでに決まっている処理策の進展を注視することになった。また、デフレ問題では政府の重要課題と位置づけることで一致し、日銀を含む関係省庁で検討会議を設置することで合意した。
不良債権について竹中氏らはこれまで、「今遅れれば将来の処理がさらに厳しくなる」と早期の抜本処理を要請。一方、柳沢氏は「すでに決めた政策の実施状況が十分な形で出ていない」と新たな政策対応に否定的で、両者の認識は平行線をたどってきた。
同日会見した竹中氏は、柳沢氏が「銀行は大きく変化し、しっかりと対応している」などと説明したことを明らかにしたうえで、「銀行の資産査定の厳格化と企業再生をいかに強力に進めるかに尽きる」と述べた。一段の政策対応の検討の見送りを示唆したもので、諮問会議は今後、既存政策のRCC(整理回収機構)の活用と主要行に対する特別検査の進展具合を定期的に点検する。
一方、デフレ問題については、内閣府、財務省、日銀の幹部で構成する検討会議を年内にも設置することが決まった。今後、財政・金融政策に税制や競争政策も絡めたデフレ阻止のための総合的政策の構築を進める。
【白戸秀和】