「第2の産業空洞化」に対し官民で協力を−経産相が冒頭あいさつ 東京 11月20日(ブルームバーグ)

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 20 日 22:02:53:

平沼赳夫経済産業相は20日正午、省 内で開催した第1回「産業競争力戦
略会議(経産相の私的懇談会)」の冒頭のあ いさつで、生産拠点の海外移転などにより国内産業の空洞化が
加速するなか、 国内産業や雇用維持のため、国際競争力の回復と強化に向けて官民で協力して 取り組む必
要性を訴えた。

同相は、バブル経済崩壊以降、政府と民間の景気回復への取り組みは十分 な成果が出ていないと述べ、国
際的な競争が激化するなか国内企業の国際競争 力も相対的に低下傾向と指摘。こうした状況のなか、日本
企業の海外生産移転 が、従来の部品生産や調達の目的から、高付加価値・基幹部品まで広がり「質 的にも
大きく変化し、第2の産業空洞化が始まっている」と語った。

業界によっては、合併などの再編や過剰設備の処理など、一層の「選択と 集中」が必要との認識を示しなが
らも、国内での産業活動を維持するため、高 コスト構造の是正や魅力ある事業環境の創出が必要と強調し
た。

円相場は人民元に対し割高との発言

同省幹部は、会議終了後の記者説明で、委員1人から現在の日本の経常収 支減少や中国の競争力の向上
などを踏まえて、円相場は人民元に対し割高であ るとの指摘があったことを明らかにした。ただ、他の委員か
らは特に意見は出 ず、為替レートの在り方について次回以降、具体的議論が行われるもようだ。

その他の論点としては、1)研究開発(R&D)の重要性や国の支援の必 要性、2)知的財産の評価の向上、
3)雇用・人材育成の拡充、4)高い電力 や港湾使用コストの是正、5)倒産法制の強化などによる企業の集中
と選択の 促進、6)自由貿易協定(FTA)の推進−−などが挙げられた。複数の委員 は、生産のコスト面で中
国との差を埋めるのは容易ではないと指摘し、高付加 価値製品を生み出すためのR&Dの必要性を強調し
た。

同会議のメンバーは、トヨタ自動車の奥田碩会長、TDKの沢部肇社長、 新日本製鉄の千速晃社長、NECの
西垣浩司社長、キヤノンの御手洗冨士夫社 長、松下電器産業の森下洋一会長、東京大学の吉川洋教授ら。

同会議は1−2カ月に1回程度のペースで開かれ、研究開発基盤の強化、 人材・雇用問題、企業関連法制、
中国などとの国際協調などの論点について2002 年春ごろまで議論し、その後、最終報告書を出す予定。経済
産業省では、同会 議の意見を集約し、同省の審議会や予算要求などにも反映させたい考えだ。

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