投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 11 日 05:27:55:
景気対策として政府・与党内で今年度第2次補正予算の編成を求める声が高まる中、新たな財源として「小泉ボンド(国債)」構想が浮上してきた。政府筋が10日、明らかにしたもので、償還財源に国有財産の売却益を充てることなどが検討されている。2次補正を編成すれば今年度の国債発行額は30兆円を突破することが確実なため、米同時多発テロ事件の経済への悪影響を最小限に食い止める臨時措置として、別枠で「小泉ボンド」を位置付け、国民の理解を得たい考えだ。
「小泉ボンド」構想は、将来の国有財産売却を償還財源にしたり、使途を構造改革分野に限定することなどで、従来型の国債との違いを強調。「国債発行30兆円枠」の外に位置付けるのが狙いだ。ただ、いずれの案も国債であることにかわりはなく、「び縫策に過ぎない」と批判される懸念もある。
政府が9日に臨時国会に提出した今年度補正予算案で、国債発行額は30兆円ちょうどとなり、「30兆円以下に抑制する」との方針を堅持するにはこれ以上の国債発行は許されない。
補正予算案は、構造改革に伴う“痛み”に配慮し、雇用対策や中小企業対策に重点を置いたが、政府・与党内や経済界からは「景気、雇用情勢の悪化に対応するには不十分」との指摘が多い。
12月上旬に明らかになる7〜9月期の国内総生産(GDP)は2期連続のマイナス成長となるこが確実。自民党内からは「構造改革を進めるためにも景気の下支えは不可欠。都市再生など構造改革に逆行しない分野での公共事業の追加も検討すべきだ」との意見が出始めている。
2次補正予算を編成する際に問題となる財源について、政府保有株など国有財産を売却する案も出ているが、株価や地価が低迷する中で、ただちに確保できる財源には限界がある。
臨時国会で今年度補正予算案が審議中のため、政府は2次補正への言及を避けているが、福田康夫官房長官は「1次補正の着実な実行の後、追加的なことが必要か、状況を見ながら判断する」とも述べており、追加的な財政出動の可能性が高まっている。 【川俣友宏】