投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 19 日 15:03:49:
【オタワ18日=佐野領】
国際通貨基金(IMF)加盟国の財務相と中央銀行総裁による国際通貨金融委員会(IMFC)は十七日、米中枢同時テロの発生から二カ月たった世界経済について「かなりの不確実性が残されている」と総括。各国に警戒の継続と柔軟な財政金融政策の運営を求めた共同声明を採択して閉幕した。
共同声明では、世界経済の成長回復に向けた先進国の責任を指摘したうえで、米国とユーロ圏などの金融緩和に歓迎を表明。「各国当局は必要に応じてさらなる行動をとる準備をしている」として、先進各国に金融緩和の継続を求めた。日本が実施した金融緩和への評価は明記されなかった。財政政策には「先進国経済が(財政による経済の)自動的な安定効果を作用させるようにすべきだ」と指摘、財政による適切な需要刺激を重視するよう先進各国に訴えた。
さらに各国経済の将来的な信認と成長力を高める手段として構造改革の重要性に触れ、日本について「金融機関と企業部門における精力的な改革を先に進める必要がある」と特記した。
会議では「(金融緩和と不良債権処理に関する)これまでの取り組みに加え、日本経済をおおうデフレ(物価下落)の圧力を相殺するために、一層攻撃的な行動が求められて当然だ」(カナダのマーティン財務相)などと、日本の金融政策への不満も噴き出した。
日本にとっては、金融機関に対する金融庁の特別検査によって不良債権処理の突破口を開くよう改めてクギを刺された一方で、一般的な表現ながら、日銀に国債買い切り額の拡大をはじめとする一層の金融緩和と、財政による一定の需要刺激を組み合わせた経済政策の運営により、マイナス成長に陥った日本経済の立て直しを急ぐよう促された結果となった。
声明ではまた、米国で策定中の経済対策について中期的な財政悪化を導かないように求め、欧州にも労働市場の構造改革を進める速度を上げるよう要請している。