投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 18 日 10:43:10:
全国670市と23特別区(東京都)の地方債残高が00年度末に過去最高の約42兆円に達したことが、朝日新聞社集計で分かった。住民1人当たりに換算すると平均38万9000円になり、その返済が重荷となって、同年度に市区が発注した公共事業の総額はピーク時の7割まで落ちていた。不況とバブル経済崩壊後の景気対策のために実施した公共事業で借金を膨らませ、疲弊した地方財政の状況が浮き彫りになった。
693市区が9〜10月にまとめた00年度普通会計決算を朝日新聞社が集計した。00年度末の市区の地方債残高は約41兆9800億円で、最高額だった99年度より約2600億円増えた。00年度の市区の歳入総額約38兆1200億円を上回った。
バブル経済崩壊後、国が本格的に景気対策に乗り出した92年度以降、自治体も公共事業を増やし、財源として多額の地方債を発行し、借金を膨らませた。
住民1人当たりの地方債残高が最も多かったのは旧産炭地で人口が約6100人と全国の市で最少の歌志内市(北海道)で、平均額のほぼ4倍の157万円。阪神大震災の被災地、神戸市が137万6000円で続いた。少ないのは東京のベッドタウンとして人口が伸びている戸田市(埼玉県)の10万円だった。
公共事業にあてる普通建設事業費の総額は約7兆6600億円で、前年度に比べ6.1%減り、ピークだった93年度の71%に落ちた。大震災の復興事業が進む芦屋市(兵庫県)のように歳出の46.1%を公共事業にあてる自治体もあるが、6割近い395市区は前年度より公共事業を減らした。
小泉政権は自治体に配分する地方交付税の削減を打ち出したが、歳入のうち地方税など自主財源の割合は市区平均で50.2%だった。58市は3割未満で、山田市(福岡県)が17.3%と最も少なかった。
このため、地方交付税への依存度は平均でも20.6%。依存率が最も高い能登半島北端の珠洲(すず)市(石川県)は50.3%。地方交付税の依存率が3割以上の自治体数162市は、全市の4分の1にあたる。
集計と同時に693市区に実施したアンケートでは、当面の歳入増加策として、管理職による休日・夜間の戸別訪問など地方税の収納率アップ▽公営施設の入場料・使用料の値上げ▽遊休公有地の売却促進−−などを挙げる自治体が多かった。(05:57)