投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 18 日 06:34:25:
政府は十七日、特殊法人改革に関連して国民生活金融公庫と中小
企業金融公庫を統合、住宅金融公庫が行っている住宅資金融資事業
も含めた総合的な政策金融機関として再編する方向で検討を始めた。
両公庫とも中小企業向けを主体とした融資業務を行っており、統合で
業務の簡素化およびコスト面での合理化を図る。また、住宅資金融資
事業を引き継がせることで、住宅金融公庫廃止へ向けた環境整備を
図る考えだ。
国民生活金融公庫は平成十一年十月に国民金融公庫と環境衛生
金融公庫が統合して設立されたもので、中小企業への小口融資をは
じめ、教育ローンや恩給・年金受給者に対する融資などを行っている。
また、中小企業金融公庫は中小企業を対象に長期・固定金利での融
資を主体としている。
所管官庁の財務省などは両公庫について「民間金融機関からの融
資が困難な者に対して円滑な資金提供を行う」などと位置づけ、融資
対象を限定したうえでの存続を求めている。しかし、首相官邸サイドで
は両公庫の事業内容に共通する部分も多いことから、比較的スムー
ズに統合できると判断。また、小泉純一郎首相は全政府系金融機関
について廃止・民営化に向けた検討を求めており、今回の統合をきっ
かけに政府系金融機関の一元化も念頭に抜本的な見直しにつなげた
い意向だ。
首相が廃止の方向を表明している住宅金融公庫の長期住宅ローン
融資について、公庫廃止後ただちに民間金融機関に譲渡した場合、
民間がすでに出している金融商品との間で融資基準や金利などの整
合性をとることが困難になることが予想される。
官邸サイドではこうした混乱を避けるため、統合後の新金融機関で
いったん長期住宅ローン債権を引き継ぎ、段階的に民間に移行するこ
とを検討しており、住宅金融公庫廃止の具体化へ向けた第一歩ともし
たい意向だ。