投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 16 日 22:51:37:
三和銀行は16日、2002年4月のペイオフ(保護する預金を元本1000万円とその利息までとする制度)凍結解除後も、破たんした中小金融機関にある自治体の公的預金の一部を、協調融資によるリスク分散で保護する独自のシステムを開発したことを明らかにした。自治体のペイオフ対策としては全国初の試みで、既に大阪市に導入することで基本合意した。ペイオフ凍結解除後の公金保護策に苦慮している他の自治体からも注目されそうだ。
自治体は、税金などの大口資金を預ける指定金融機関以外に、中小企業の育成などのために優遇金利で融資する制度の窓口として、地銀以下の中小金融機関に預託金を預けている。
三和銀行のシステムは、この比較的小口の預金と同額の“借金”を作り、万一の時は預金と借金を相殺することで、事実上、預金を保護するものだ。具体的には、三和銀行と複数の中小金融機関で融資団を結成し、自治体の債務保証付きで、外郭団体の土地開発公社に協調融資する。融資団のメンバーが破たんした場合には、この債務保証の相当額を帳消しにすることで、保護されない公的預金と相殺する仕組みだ。
大阪市との合意では、地元の地銀、第2地銀、信金、信組など、市の預託金のある約40行が2002年3月末に融資団を作り、協調融資契約を結ぶ予定だ。
ペイオフ凍結解除で自治体による金融機関の選別が厳しくなる中、経営基盤が弱い中小の金融機関はリスクを分散したうえで、自治体との関係をつなぐことができる。