投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 16 日 17:57:46:
回答先: 日銀:金融政策を当面、現状維持 [毎日新聞11月16日] 投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 16 日 17:51:34:
日本銀行は16日、同日開いた政策委員会・金融政策決定会合で、「日銀当座預金残高が6兆円を上回ることを目標として、潤沢な資金供給を行う」という金融調節方針を据え置くことを、賛成多数で決定したと発表した。議事要旨は12月25日に公表する。
速水優総裁は14日の参院予算委員会で、「今後、需要の弱さに起因する低下圧力がさらに強まる可能性を心配している。こうした動きを踏まえると、物価下落と景気後退の悪循環になる可能性があり−−これをデフレスパイラルと呼んでいるが−−、極めて注意深く情勢を点検していく局面にあると判断している」と述べた。決定会合でもデフレスパイラルに陥った場合の対応や、金融システム危機が再燃した場合の対応について話し合われたもようだ。
この1カ月間で公表された経済指標は、9月の鉱工業生産が前月比2.8%減と、経済産業省の予測(1.4%減)を上回るマイナス。7−9月は前期比4.3%減と、3四半期連続で4%前後の減産となった。同月の失業率は過去最高の 5.3%に上昇。就業者が前年比84万人減少、雇用者数が同53万人減少するなど、雇用・所得環境が急速に冷え込んでいることを示した。
米国株の堅調にもかかわらず、不安定な国内銀行株
生産減少は雇用・所得環境の悪化を通じ、消費にも影響を与え始めている。夏場まで比較的堅調だった自動車販売(軽自動車を除く登録者ベース)は、9月4.1%減、10月7.0%減と、減速傾向が明確になりつつある。日銀が描く「厳しい調整」という標準シナリオの範囲内ながら、景気は水準、方向とも確実に悪化しており、今月の情勢判断も一段と引き下げられたとみられる。
米国株が堅調に推移していることから、株式市場は全般に底堅い値動きとなっているが、銀行株だけは不良債権問題への懸念から不安定な動きを続けている。現在実施中の金融庁による特別検査や、延期論が出ているペイオフ(預金などの払戻保証を一定額までとする措置)凍結解除の行方次第では、98年型の金融システム危機が再燃する可能性もゼロではない。
須田美矢子審議委員は5日、さいたま市内の会見で「今は金融システムが大きく不安定化する状況ではないと思うので、デフレスパイラルに陥るとは考えていない」と述べたが、先行きの不透明感は消えておらず、リスクが現実になった場合の対応について、今後も議論が進められる見込みだ。
会合開催時間は15日が午後2時−3時38分。16日が午前9時1分−午後零時31分。会合出席者は政策委員7人と、15日が小林勇造内閣府政策統括官と藤井秀人財務省官房総括審議官。16日が小林勇造内閣府政策統括官、竹中平蔵・経済財政政策担当相、藤井秀人財務省官房総括審議官。