投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 10 日 11:28:24:
内閣府は九日、二〇〇一年度の経済成長見通しを戦後最悪のマイナス0・9%へと大幅に下方修正し、IT(情報技術)不況と米中枢同時テロがグローバル化した日米欧・アジア経済に与えた影響の大きさがあらためて明らかになった。最近では一九九八年度もマイナス0・6%成長に陥ったが、米国が好景気だった当時に比べ、今回は米国の回復頼みとの見方が広がり、日本経済の視界は一向に晴れない。
竹中平蔵経済財政担当相は九日の記者会見で「来年度のマイナス成長は避けたいが、米国も今はマイナスなので、日本の政策だけでマイナス成長が避けられるのか問題がある」と述べ、米国経済が早期に回復しなければ日本経済が二年連続マイナス成長に陥る可能性を示した。
世界経済のカギを握る米国経済の先行きについて、米エコノミストらは平均すると来年後半には消費、設備投資が回復し3%余りの成長軌道に戻るとの見方になる。
内閣府も見通しの改定で、このシナリオを採用したが、実際は米エコノミストの予測は回復が来年後半よりも遅れるとみる悲観派と、年前半に底打ちするとの楽観派に大きく二分されている。改定見通しは、その中間をとって米経済が「年後半に回復」という前提で試算した一つの目安にすぎず、マイナス幅は0・9%よりも拡大する懸念を残している。
十二日から始まる本年度補正予算案の国会審議では、「二年連続マイナス成長」の回避が焦点になるのは必至の情勢になった。
政府・与党の一部から公共事業の追加など需要喚起を求める声も出始めたが、米国経済の回復時期が不確かな現状では、「需要追加でプラス成長に転じる」という従来型の議論は通用しにくくなりそうだ。