投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 15 日 10:39:13:
小泉首相が住宅金融公庫廃止を言明した。日本道路公団に関しては、今月中に大方針を出すという。また、来年4月解禁のペイオフ凍結解除に関しても再延期論を退け予定通り実施することを強調した。さらに、医療報酬を引き下げる必要性も明言した。改革に対する意気込みの感じられる昨日の発言であったが、市場の注目する不良債権と金融の問題に関して、踏み込んだものがなかったのが残念だ。
不良債権問題に関しては、「検査を厳密にした結果、その結果を公表し市場原理の基づき、駄目なものは潰す」。この一言でいい。資本主義、市場主義のルールに基づいて行う。これだけでいいのだ。これだけ大きいから潰せない等もう下手な計算や打算、恣意性はいらない。負けたところは市場から潔く早急に退場させる。その判断は、首相、政治が決めるんですよ。政治が・・・。
米国では、10月の小売売上げ高が前月比7.1%増と過去最大の増加率となった。これは、ゼロ金利ローンにより自動車が同26.4%増と伸びたことが大きく寄与したものだ。この自動車を除いた売上げは同1.0%増である。しかし、テロによる悪影響を心配していた市場にはポジティブ材料だったようで、NYダウ、ナスダックともに上昇して取引を終了した。
米国とわが国の最大の違いは、心臓(金融)の強さだ。血であるマネーを体中に循環させる機能が健全な国とそうでない国とでは、経済状況は雲泥の差と言えよう。日銀がどれだけ血圧を上げる(量的緩和)努力をしても、血管中に詰まった不良債権というゴミは体から出て行くことはないのだ。むしろ、更に血圧を上げた場合、その血管は圧力に負けて破裂する可能性もある。故に、更なる金融緩和は、悪性インフレを引き起こす可能性が出る点には、投資家は注意する必要性が高いと考える。
心臓が健康にならない限り、先行き経済を映す株は残念ながら上がらないだろう。日経平均は、25日移動平均線(11/14現在、10487.13円)、オーバーシュートしても75日線(同10675.36円)がせいぜいだろうと見ておきたい。ゴミである不良債権処理を先送りした場合、くも膜下出血で日本倒れるという最悪の事態の想定も排除すべきではなかろう。