投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 14 日 13:14:42:
財務省は、二〇〇二年度税制改正で、生命保険料や損害保険料を支払った場合に保険料の額に応じて所得から一定額を差し引く生命・損害保険料控除の縮小や廃止を検討する。保険契約者にとっては課税対象額が膨らみ、負担が重くなるが、政府税制調査会(首相の諮問機関)が十三日開いた金融小委員会でも圧縮の方針を確認した。
生・損保控除について国の本年度の一般会計では減収額(当初予算)を二千八百二十億円と見込んでいる。しかし、税収は補正予算案で一兆一千億円減額したうえ、景気が一段と悪化していることから来年度税収も見通しからの減額が避けられない状況で、すでに塩川正十郎財務相は「個人向けの租税特別措置を見直す」と歳入確保につなげる考えを打ち出した。
生命保険料控除の適用者がサラリーマンの83・2%(一九九九年)に達して「保険加入の奨励」という意義を失ったとの見方も広がっており、優遇税制見直しでは生・損保控除が焦点になる。
これに対して、業界団体の生命保険協会と日本損害保険協会は来年度の税制改正で保険料控除制度の拡充を要望、介護関連商品を対象とする新たな保険料控除制度の創設も掲げる。
生命保険会社の経営環境が逆ざやで苦しいことから、自民党税調内にも保険料控除の見直しには慎重な見方が残る。従来、生・損保控除の見直しは先送りされてきたが、来年度は「三十兆円」の堅持に向けた歳入確保の徹底という事情が、生・損保控除見直し論議に影響を与えるのが避けられない。