投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 14 日 12:40:12:
カブール陥落を好感し、米国市場は大幅高。シカゴ先物は10240円と大阪比120円高で取引を終了した。ハイテク株中心に買い優勢の展開となり戻りを試す展開となりそうな本日。11/13現在25日移動平均線は10482.25円だが、日経平均はこれを目指す動きは想定しておきたい。また、明日15日から16日にかけて、日銀の金融政策決定会合が開かれることからこれへの期待が高まり75日移動平均線(11/13現在10695.26円)までのオーバーシュートの可能性まで想定して目先の戻りを見守る局面に入ったようだ。
これは11/9申し込み現在の信用倍率が1.04倍と過去最低を記録しているように、今後の上昇エネルギーの蓄積があることで、ちょっとしたきっかけで火がつき易い状況となっていること。基本的に、多くの投資家が模様眺め気分が強く商いが薄いことで、株式市場の流動性が確保されておらず少々の買いでも値が飛びやすい需給状況となっていることに起因する。
ただし、中期的なトレンドを覆す材料が出ていないことで、戻れば当然売りが待ち構えていることも事実だ。商いをこなしながら上昇を続け、売り方に恐怖感を与え「踏ませる」には、やはり、不良債権処理に関してなんらかの大材料が出てくる必要があろう。片山総務相は、「破綻しても国が郵貯や簡保の支払いを保証するため、金融庁検査は必要ない」としているが、銀行にしても郵貯にしても、市場にいや国民にディスクローズして透明性を確保しなければならない時が、迫っていると考える。国自体に対する市場の信用が日毎に低下していることを忘れてはなるまい。
朝日生命が営業部門を分離して、1年で東京海上の子会社と合併を目指すという。生保もまた、国が、銀行と過剰債務に喘ぐ経営不振企業を延命させるためにとる「超低金利、ゼロ金利」政策の犠牲者と考えれば気の毒ではあるが、結局、それも契約者のカネであり国民のカネだ。預金者の本来得られるべき利子所得も合法的に銀行に補給されるこの意味の無い営みはいいかげんピリオドを打つタイミングだろう。そこで上がった業務純益の範囲で不良債権を処理し、運用は貸し出しではなく、国内外の国債でせっせこせっせこ行われている。信用乗数は年々低下し、銀行の公共性は日毎に低下し、その存在意義は限りなくゼロに逓減している。
いずれにせよ、不良債権処理の抜本的な動きが出るまでは日本株は触れないだろう。1990年以降の土地バブル崩壊の後遺症からの脱却を確信できる「大材料」を息を殺して待つべき局面と認識しておきたい。