投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 13 日 22:53:21:
大手銀行株の下落が止まらない。8日にあさひ銀行＜8322＞は76円まで急落したほか、9日はみずほホールディングス＜8305＞が30万5000円まで急落。商いも急激に膨らみ、東証の出来高ランキングの上位を連日銀行株が占めている。ヘッジファンドなど海外投機筋も売っているが、主役は、銀行と長年株式を持ち合っていた事業法人だ。
持ち合い解消売りが極度に膨らみ、金融システムを揺るがす事態に発展しかけている。
株価水準に関係なく持ち込まれる売りに、株式市場で動揺が広がっている。
●ヘッジファンドも警戒
「こんな下値水準では、百戦錬磨のヘッジファンドも怖くて売り込めない」（米系大手証券のファンド担当者）―。11月第2週の銀行株下落局面では、一部ヘッジファンドが大手銀行に対して大口のショート（売り）ポジションを組んだが、「決して相場の流れを決定づけるようなものではなかった」（同）。ヘッジファンドさえ想定していなかった水準に株価が落ち込んだため、「先行き更に下落するというシナリオを描き切れず、ショートポジションをすぐにロングに転換できるようにしている」（同）という。
通常、銀行株が下落し始めると、相対（あいたい）取引で個別行の株式を組み込んだデリバティブ商品も活況を呈すが、現在はほとんど商いが成立していない。また、株価が急落した局面では当該の銀行や政府関係者が“投機筋による仕掛け売り”との理由付けを行うが、今回の局面ではこの理由付けは当たらない。
柳沢金融担当相は、9日の会見で銀行株の下落に触れ、「厳しい中間決算になるが、健全性に問題の出る銀行はない。市場の見通しは厳しすぎる」と悲観論をけん制した。
しかし、これも的外れに終わりそうだ。
●「株券を売る」の売り
今回の局面で、しばしば聞かれるのが“株券を売る”という言葉だ。投機筋ならば、先手を取って売りを出し、あとで買い物を入れることで利益を手にできる。この場合は“株価を売る”との言葉が飛び交う。しかし今回の場合、「まさしく株券を売る手口」（大手証券）。そして、売り注文を出しているのは主に内外の大手証券で、その指示を出しているのは事業法人だ。
「例年2月と11月は持ち合い解消売りが活発化するが、今月は既に相当な金額の注文が持ち込まれている」（銀行系証券）。政界・官界・経済界の三者で不良債権処理の先行きを巡る議論が混迷の度を増し、「これ以上銀行株を持っていることに耐えられない」（同）と判断した事業法人が売りを出しているわけだ。
みずほ、あさひ銀株の急落のすさまじさを見て、未だに銀行株を売り切れていない法人勢の間には「相当動揺が広がっている」（別の銀行系証券）。政府や銀行が声高に「投機的な売り」と強調しても、銀行株の売りは止みそうにない。
○URL
・あさひ銀行
http://www.asahibank.co.jp/
[相場英雄 2001/11/13 11:33]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。