投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 07 日 16:11:19:
FOMCで0.5%の政策金利引下げが実施され、米株式市場が上昇。しかしながら、朝方から高寄りが期待されたハイテク株が利益確定売りに押される展開となり、市場ムードは一気に冷やされる格好となった。更に、投資家心理を冷やしたのが、大手銀行株の動きであった。4大目がバンクは揃って、上場来安値、年初来安値を更新するに至ったのである。
大手銀行株下落のきっかけは、みずほHDが、2001年度の不良債権処理額を1.8兆円程度に増額する方向で最終調整に入ったとの一部報道。同行は、5月時点で5000億円、金融庁の通常検査を受け処理額を1兆円余りに増やすと発表。そして、近く本格化する金融庁の特別検査を前に、1.8兆円にする方向で最終調整に入ったと報じられたのである。約半年で1.3兆円増加する不良債権処理額。検査のたび大きく増える数字を市場は、逆打ち出の小槌のような不良債権処理額に対し、懐疑と不安と不信を露わにしたようだ。
昨今の銀行株の動きが市場の行き過ぎた悲観によるプライシングなのか、それとも、公表されていない隠された真実を株価が反映した鏡なのかは、早晩明らかとなろう。やだひとつ言えることは、芸能人は歯が命。人形は顔が命、そして、銀行は株価が命だと思う。製造業と違い物を作り出すことのない金融機関は、「信用」が命だ。その信用を価格に示したものが、市場価格である「株価」であろう。今後の株価動向と金融庁の特別検査の行方は引き続き、相場の最大の関心事となりそうだ。
ハイテク株も失速したことで、一部市場は極度の物色難に陥る可能性が高まったと考える。IPO銘柄や好業績発表銘柄がゲリラ的に物色される中、全体指数は下への動きが加速する可能性が高まったと警戒しておきたい。