投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 07 日 10:07:34:
FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.5%の利下げが決定された。これを受け、米国株式市場は好感。NYダウは同時多発テロ発生前の9605ドルに対し、昨日終値は9591ドルとほぼ全値戻しを達成した。また、ナスダック総合指数も上昇。前日引け後に発表した四半期業績が市場予想を上回ったシスコ・システムズが大幅高となり相場を牽引したようだ。
本日は、この米国株上昇を受けて、ハイテク株中心に買い先行の動きとなろう。シカゴ先物は10760円大阪比100円高で取引を終えている。このレベルを中心に、強含みのもみあいが想定される。ハイテクが堅調推移となる一方で、銀行株や過剰債務に喘ぐ経営不振企業や金融機関の持ち合い解消売り圧力に晒される銘柄群が指数の動きを鈍らせる可能性はあろう。
金融庁の実施しているであろう特別検査に関しては日程が各行に金融庁から通知されて以降、情報が出てきていない。銀行、当局共に、その検査を慎重に扱い、外に漏れることを避ける努力をしているのであろう。ただし、今回の検査が抜本的な踏み込んだものとなるのか、それとも、軽度のスケープゴードを2、3件出してお茶を濁すかで今後の投資環境は大きく異なることには注意したい。
前者のパターンでは、恐らく、その実現前に相場は大きく下落するだろう。しかし、1990年以降の「不動産バブル崩壊の後遺症に対する大底」をつけるに相応しい「イベント」発生で相場は、中期の上昇トレンドに入る可能性が高い。内閣府の経済白書原案でも、不良債権の抜本的な解決が実現されれば中長期的な日本経済の成長率は2-3%程度引き上げることが可能とみているように、それを反映した動きが見通せよう。
後者のパターンでは、相場は瞬間上がる可能性は高いがその後は、問題を先送りする以上、3月決算通過後の4-5月に波乱の展開を覚悟した上で投資戦略を練る必要がありそうだ。米国頼みの主体性のない写真相場の継続と上値は生き残った金融法人の持ち合い解消売りが相場の頭の抑える、蛇の生殺し相場が3月末まで展開される可能性を覚悟しておきたい。
そのような投資環境下、投資家の資金は、引き続き米国当局を信頼してハイテク株と銀行の持ち合い解消売り圧力を避けてIPO銘柄中心に新興市場への流入を継続しよう。全体指数の帰趨は、特別検査の結果を見極めてからゆっくり考えても遅くはなかろう。なお、当然期待は、イベント発生と大底入れのパターンだ。この場合は、91年以降の米国株式市場の長期上昇相場同様、息の長い上昇相場が展望できるだけに大いに期待したい。駄目なところが市場から退場する。その単純で当たり前のことが、起こればそれは実現するのである。