投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 06 日 22:00:51:
東京都の石原慎太郎知事がブチ上げた新税「ホテル税」構想が、波紋を広げている。米同時テロの余波が深刻なホテル業界は「なんでこの時期に…」と恨み節。所管の都主税局からも「知事の判断で…」と困惑の声が聞こえてくる。ラブホテル利用にもきっちり課税されるというこの“SEX新税”、「銀行税」では都民の溜飲を下げた慎太郎知事だが、今回はちょっと事情が違うのか。
都主税局がまとめた素案によると、ホテル税は宿泊費1万〜1万5000円未満のホテルの利用者に1泊100円、1万5000円以上の場合、1泊200円を課税するという構想。試算では全宿泊客の約17%、1日平均約3万人から、年間約15億円の税収が見込まれる。
税収はすべて都の観光振興費用にあてられる予定で、慎太郎知事は2日の会見で、「大衆課税にならないように配慮した」と述べ、ビジネス客や修学旅行客が課税対象外になる宿泊料1万円以上の宿泊者に限定したことを強調。「ホテル業界などとも話して観光に関する目的税として了解をいただいている」と、新税に自信を見せた。
しかし、業界を含めた周囲の反応は、慎太郎知事の言葉とは裏腹だ。
日本ホテル協会東京支部の松井幹雄支部長(ホテルオークラ社長)は「石原知事の突然の発表に驚いている。観光振興という使用目的もよく理解できないのでコメントできない」とのコメントを発表。米同時テロの影響で、都内のホテルは軒並み前年比1〜2割の稼働率減となり、「なぜ、今」の思いは強いようだ。
都主税局も「こういう時期なので事務方として発表のタイミングを検討していた。知事がどういう政治的判断を行ったのか、つかみきれない部分がある」と困惑を隠せない。
同局によると、早ければ12月定例会に条例案を提出し、可決されれば3月下旬に条例公布、夏休み期にあわせて実施−という一応のタイムテーブルはあったが、肝心の観光振興策は、(1)外国客向けに東京のイメージアップ(2)便利で快適にするための施設整備の二本立てとなることが決まっているだけで、具体的には「現在、担当部局がつめている」という。
石原都政は「銀行税」のように、世間をアッと驚かせながらも、都民の心をガッチリとつかむ施策が真骨頂だが、今回の慎太郎流新税構想は、それにしてもブーイングが多い。
税収の約35%を地方交付税に依存しながら、「都民ではなく取りやすいところから税を取るのは他人のフンドシ(で相撲をとる)のような考え」と噛み付いたのは鳥取県の片山善博知事。その批判はともかく、今回のホテル税が注目されるのは、宿泊代1万円以上ならラブホテルも課税対象になることだろう。
いわば、“SEX新税”ともいえる内容で、ラブホテル利用者からは、「エッチ目的で利用してるのに、観光振興費用といわれたって…」という深刻なボヤキが漏れるのだ。
気になる慎太郎知事の胸の内について、都庁関係者は、「石原知事は就任当時からカジノ構想や映画のロケ誘致策など観光面には強い関心がある。今回も勇み足というより、定例会見用に12月議会提案する新税構想を持ち出しただけで、タイミングはおかしくない。独走にみえる会見も、目立ちたいだけで他意はないはず」と明かす。
独身者だけでなく、不倫サラリーマンのエッチをも左右するホテル税構想の行方はいかに−。