投稿者 ロックさん 日時 2001 年 11 月 05 日 13:40:56:
原油消費国が緊急対応計画【読売】
米同時テロを受けたアフガニスタンでの米英軍の軍事行動が長期化し、中東の石油情勢が緊迫化した場合に備えて、日米など原油消費国で組織する国際エネルギー機関(IEA)が緊急時対応計画を策定した。消費国への原油供給がストップしたり、その恐れが生じた事態を想定したもので、加盟26か国全体で日量200万バレルの備蓄原油を14日間にわたって市場に放出し、原油価格の高騰を防いで供給を確保する狙いだ。
市場の混乱による世界経済への影響を最小限にとどめることも目指している。日量200万バレルは世界の1日の石油消費量の約2・7%に当たり、200万バレルのうちアメリカが43・3%の約87万バレル、日本は12・9%の約26万バレルを分担する見込みだ。
IEAは米英の軍事行動に関して、全加盟国と協議を重ね、緊急時対応計画について合意した。
91年の湾岸戦争開始直後、IEA加盟国が日量250万バレルの備蓄原油を約1か月間、市場に放出し、高騰した原油価格の引き下げに成功した。今回のケースでは、事態はまだひっ迫していないものの、湾岸戦争当時の教訓を生かし、事前に対策を検討しておく必要があると判断したためだ。
原油価格は最近、下落基調で推移しているが、中東情勢が悪化して原油の供給が途絶えた場合、IEAは世界経済の回復に支障が出ると懸念を示していた。
IEAの計画によると、IEA事務局長が産油国の追加生産などの予測も考慮して、対応計画の発動の必要性を判断し、加盟国に通知するとしており、加盟国は基本的に備蓄原油を放出して対応する。
ただ、備蓄放出に代わって、「加盟国は石油需要抑制、燃料転換あるいは石油増産で対応することも可能」と明記している。
国別の放出量を見ると、日米に続いてドイツが日量200万バレル全体の6・6%、韓国が同4・9%、カナダ同4・5%などとなっている。
一方、緊急時の日本の対応について、経済産業省・資源エネルギー庁は、石油公団が保有する国家備蓄原油を放出する方針を決めた。
具体的には、全国10か所の国家備蓄基地のうち、苫小牧東部(北海道)と志布志(鹿児島県)の2か所の備蓄分を対象に入札を行い、原油を石油会社や商社に売却する。
(11月4日09:49)