分析「日本の政治を読む」〜「陰謀」を図った?公明党と橋本派[PAXNet] 2001/11/05 09:21:00

 ★阿修羅♪

[ フォローアップ ] [ ★阿修羅♪ ] [ ★阿修羅♪ 国家破産2 ]

投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 05 日 10:57:12:

【今週の主な政治日程】

▼11月 5日(月)日中韓3カ国首脳会合、ASEANプラス3首脳会合(ブルネイ)
▼ 6日(火)日・ASEAN首脳会議(ブルネイ)、衆院選挙区画定審議会
▼ 9日(金)2001年度補正予算案、国会提出
▼ 10日(土)公明党全国代表者会議

【政局の焦点】

●米大統領の強気一辺倒に懐疑的な見方も

米英軍のアフガニスタン攻撃は、当初予定されたタリバン勢力の軍事拠点だけを狙ったピンポント爆撃に加え、戦略爆撃機B52によるじゅうたん爆撃が始まるなど新たな段階に入った。これが大規模な地上軍投入の前触れなのかどうか現時点では断定できない。しかしブッシュ米大統領は今月16日からのラマダン(断食月)入り後も戦闘継続の意向を表明しており、作戦が所期の目標を達していないのではないかとの見方が強まっている。同大統領に対しては依然高い支持率が与えられているが、その一方でワシントン・ポスト紙など米有力紙には「後退」などの見出しが躍るなど、大統領の焦りも混じった強気一辺倒の姿勢に懐疑的な評価も出始めている。

●ラマダン中の攻撃継続に強い反発

またフィリピンやパキスタンではイスラム過激派の犯行とみられる爆弾・銃乱射テロ事件が相次いで発生。こうした事態を受け、世界最大のイスラム教徒を抱えるインドネシアのメガワティ大統領が当初の米軍の報復攻撃支持の姿勢を変え、ラマダン中の攻撃中止を求める声明を発表した。このように米国を取り巻く情勢は、衝撃的な同時多発テロ発生とこれを受けたタリバン攻撃開始時点から大きく変化しようとしている。神聖な宗教行事であるラマダン中の攻撃継続は穏健なイスラム教国の強い反発を招くことは必至で、ブッシュ大統領は攻撃の継続か中止かの決断をいずれ迫られる可能性がある。米国内でも地上軍投入により犠牲者が出れば攻撃反対論ないしは慎重論が台頭してくるものとみられ、目立った効果のないままでの作戦継続は一層困難な状況に追い込まれよう。

●中国に利用される米国の節操のなさ

先に上海で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では米中ロ首脳がそろって「どこで、いつ、誰により行われたかにかかわらず、あらゆる形式および形態のテロ行為」を非難する反テロ宣言を採択した。これは中ロ両国の分離独立運動に手を焼く両国首脳がブッシュ大統領を巻き込んで、「独立運動もテロ活動と同じ」ことを認めさせた結果だ。これまで反米感情を露にしていた中国が急きょ米軍のアフガン報復攻撃を支持した背景にはこうした思惑が隠されている。しかし中国の新彊ウィグル自治区の分離独立運動やロシアのチェチェン共和国の紛争に対して米国は従来、「民衆に対する弾圧は、人権問題として容認できない」としていたが、同時テロをきっかけにこれを認めるなどといったことはまさに“ご都合主義”以外の何物でもないであろう。このような節操のなさが中ロ両国、特に中国の老かいな外交政策にまんまと利用されている。

●橋本派・公明党の動きは「陰謀」と首相

中選挙区を一部復活する衆院選挙制度問題は前回お伝えしたように、やはり大方の支持を得ることはできず、1年先送りとなった。もともと無理筋だったわけだ。しかし実は同案を強力に押し進めようとした公明党と自民党橋本派などは、これを契機に小泉政権への反撃を意図していたとする見方が浮上している。テロ対策法案修正協議の際みせた小泉純一郎首相と民主党との連係の動きに、公明党などが強い危機感を抱いたためとみられる。これに対し首相は中選挙区復活をめぐる同党などの動向について「陰謀に危うく引っ掛かるところだった。彼らは“政局”にしようと、(案が受け入れられなければ)政権から離脱すると脅してきた」との感想を漏らしたと言われる。
実際にこういう動きがあったのか、単に小泉首相がそれほどのプレッシャーを受けたことの表れなのか分からないが、首相がこのところ「日増しに抵抗勢力が増えている」と感じていることは事実のようだ。

●衆院解散―自公保政権崩壊の政局激動も

実際、首相が内閣の第一番の課題に掲げている「聖域なき構造改革」の主要な柱である特殊法人改革や高速道路整備計画の見直しなどについては、所管の国土交通省だけでなく、自民党内でも異論が噴出、首相の方針は全くといっていいほど進んでいない。特に高速道路整備計画については古賀誠党道路調査会長が「(計画の)凍結なんてあり得ない」と言明、橋本派をはじめ各派が全面支援の構えをみせるなど次第に「首相対抵抗勢力」の構図が鮮明になってきている。
首相は政府の行革断行評議会が提言した「高速道路建設を凍結し、建設の是非は第三者機関を設置して判断する」との案を採用、このまま押し切る考え。もし、これに与党内の一部が抵抗した場合、民主党の支持を取り付けても実現する腹とみられる。しかし、そうなれば改革の是非を争点とした衆院解散の可能性が一気に高まる。次いで、現在の自公保連立政権が崩壊、代わって民主党が政権に参画するかあるいは政策ごとに加わる部分連合の可能性もあり、さらに政界再編へと発展していくことも考えられる。
こうしたことを十分勘案したうえで、橋本派や公明党の動き、首相の漏らした発言を改めて子細に検討してみると、すべて同じベクトルを向いていることが分かる。

●国益考えるなら、田中外相は即刻更迭すべし

もともと問題発言の多かった田中真紀子外相の奇行がこのところ目立っている。詳細は新聞各紙やテレビなどで見ていただくとして、世間の大方の人が勘違いしているのは「田中外相には外交より外務省改革に頑張ってもらいたい」との願望であり、それが実現できるとの思い込みである。しかし実際には、田中外相になってから同省改革は全く進んでいない。河野洋平前外相時代にまとめられた案をなぞったものを一度発表したことがあるが、その後外相は同問題に全く関心を示さず。次々と明るみに出る不祥事もマスコミの調査ないしは警察の捜査のリークによるもので、外相が主導して明らかになったものはない。つまり「田中外相が代われば、臭い物にふたがされる」式の見方は間違い。逆に真剣に外務省を立て直そうという志にあふれた有能な外相がくれば、恐らく全省員一丸となって不祥事再発防止に取り組むだろう。
また、組織論から言っても、最も身近な側近を何の証拠もないのに泥棒呼ばわりするような上司に誰がついていくだろうか。あまつさえ、外相として非常に重要な業務である他国外相との会談に大幅に遅刻する(本人が「待たせておきなさい」と言い放ったという)などということは決してあってはならない。正式な秘書官(キャリア)だけでも大臣就任以来わずか半年で2人目、事務取り扱いを含めると既に5人が代わっている。ジュニアの秘書官やノンキャリアの事務職の職員や SPにいたるまで相当数が代わっている(ちなみに女性の秘書官やSPは自分より目立つというので決して採用しない)。
さらに、本来これが最も重要であるが、田中外相は本当に外交政策をやりたくて外相ポストを望んだのかどうか疑わしい。本気でなりたかったのならもっと勉強すべきだし(不勉強ぶりは国会答弁のお粗末さを見れば一目瞭然)、当然のことながら外国からの客にもっと積極的に会うべきである。同外相は就任3カ月間に会うべき外国からの要人が26人訪日したにもかかわらず、実際に会ったのはわずか5人。この中にはあのアーミテージ米国務副長官やタジキスタン大統領も含まれていた。今回の同時テロを考えれば、あの時会っておけばという人物ばかりである。(ちなみに河野前外相は就任3カ月で32人中21人に会っている)
以上のようなことから、現在の日本外交を取り巻く極めて困難な情勢を考えれば、首相が直ちに取るべきことは唯一つ「外相の即時更迭」である。首相周辺は“人気のある”外相を切ることで内閣支持率が下がるのを懸念しているが、それは逆である。今のような異常な状態を放置しておけば、必ず首相の任命責任が問われる。
(外相の奇行に関する分析は、雑誌「諸君」12月号の屋山太郎著「果実なき1人芝居の終わり」をご参照ください)
(政治アナリスト 北 光一)

フォローアップ:



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。